我が家は夫婦そろって「着道楽」。 

スーツ、コート、毛皮にパンプス、ワンピース、更にそこに私が昔歌舞伎の役者をやっていたことから大量の着物が加わります。 

 

自宅を設計する時には当然それらの収納を念頭に置き、広めのウォークインクローゼットを作ったのですが、焼け石に水。 

仕方がないので宅配クリーニングの無料保管サービスを利用して、衣類の半分ほどを預けるようにしていました。 

ところがこの宅配クリーニング、保管料が含まれているため料金が「割高」なのです。 

またパーティーなどの出かける用事がある場合は、予め宅配便を使って預けた服を取り寄せておかなくてはなりません。 

 

そんな時「フッティングルーム付トランクルーム」というものを発見。

実際利用してみたところ、我が家の衣類収納にピッタリだったのです。 

 

そんなわけで、今回は以下のご紹介です。 

 

■衣類のトランクルームへのしまい方(上手な収納方法) 

■衣類のトランクルームへの収納時の注意点 

■フィッティングルーム付きトランクルームの活用法 

 

 

衣類のトランクルームへのしまい方

(C)icom

 

衣類を収納するなら屋内型トランクルーム 

トランクルームには「屋内型」と「屋外型」があります。 

簡単に言うと、マンションやビルの部屋やフロアを仕切り、そのスペースを収納用に貸し出すのが「屋内型」。 

一方敷地に運搬用コンテナを配置し、その中を収納用に貸し出すのが「屋外型」です。 

 

どちらも一長一短があるのですが、こと衣類の収納という点に限れば、個人的には「屋内型」一択です。 

 

衣類の大敵といえば、「カビ」「湿気」「虫」。

久しぶりに着飾っておしゃれをしようと思い、スーツを手に取ったら白いカビだらけで「まだら」になっていたり、ダウンに袖を通したら湿気でペシャンコになっていたり、お気に入りの着物を手に取ったら虫に食われて穴だらけだったり……。

 

原因の一つは空調が十分に効いていないために起こる「温度差」だと思います。 

昼間日光で暖められた室内が夜になって冷えることによって「結露」が発生し、それが湿気→カビ・虫の発生につながってしまうのです。 

 その点、屋内型のトランクルームはエアコンによる空調が完備されているところが多く、大切な衣類を預けていても安心感があります。 

 

一方、屋外に貨物用コンテナを配置する屋外型トランクルームの場合、空調が完備されていることはほとんどなく、中には簡単な換気設備さえないものもあります。 

また換気設備があるとそこから雨が吹き込むケースも考えられ、やはり屋外型はアウトドアグッズなどのあまりデリケートでないものの収納に適しており、衣類の保管には向いていないと言わざるを得ません。 

 

ただ、屋内型で空調が完備されていても、収納スペースの仕切りの上下に隙間がなく、密閉されている場合は空気の循環がされないこともあるので注意が必要です。 

 

また、宅配便で荷物の出し入れができるため手間がかからず、料金もリーズナブルで人気の「宅配型トランクルーム」。

この場合、どういった環境で保管されているかを自分の目で見ることができません。 

宅配便を選択するならば、あらかじめ運営会社に確認し、保管環境をチェックしておく必要があります。 

 

トランクルームバナー

 

トランクルームに収納している衣類 

我が家がトランクルームに収納している衣類は以下のようなものです。 

自宅では電気代の面で24時間365日エアコンをつけておくことは難しいため、こういった高級衣類は1年を通して温度、湿度共に一定なトランクルームに預けるようにしています。 

 

  • 着物 
  • 毛皮のコート 
  • 高級スーツやドレス 
  • カシミヤ・シルクなどは虫が付きやすい 

 

 

どれくらいのスペースが必要か 

では衣類を収納するのにどれくらいのスペースを借りればいいかと言う問題ですが、目安としてみかん箱程度の段ボールでセーターなどをたためば10枚くらいは入ります。 

また0.5畳のスペースがあると、そのような段ボール箱が約24個はいるので、0.5畳でセーターやシャツであれば240枚ほど収納できる計算です。 

ただスーツやコートなど、たたんで収納してしまうと型崩れしてしまうものなどはハンガーにかけ、ハンガーラックを持ち込んで収納する必要があります。 

そこで我が家では2畳ほどのトランクルームを借りています。 

 

 

衣類を収納する前の事前準備 

衣類をトランクルームにしまう時、何は無くともやっておかなければならないのは、「クリーニングに出しておく」ということです。 

カビや虫の大好物は上で説明した湿気の他に、人間の脂などの「汚れ」があります。 

この汚れをクリーニングであらかじめ取り除いておくだけで、カビや虫の発生率は劇的に低下するのです。 

また衣類を段ボールに入れて送るだけで、クリーニングに出してから収納してくれるサービスを行なっている宅配型トランクルームもありますが、どうしても割高になるため、自分でクリーニングに出してからトランクルームにしまう事をお勧めします。 

 

 

準備しておくと良いもの 

次に私がトランクルームに衣類を収納する際、あらかじめ準備しておいて良かったものをあげておきます。

 

・衣装ケース 

段ボールは中に何を収納したのか外から見ることができず、また素材的にも湿気を通すので衣類の保管には向いていません。 

積み重ねも楽な、プラスチックなどの衣装ケースを用意します。 

着物の場合は、たとう紙に入れた上で桐の着物ケースにしまいます。 

・防虫剤・除湿剤 

防虫剤と除湿剤は衣類を収納する際の必需品です。 

特に除湿剤は多すぎて困るということはないので、少し多めに準備しておきましょう。 

 

・スノコ 

湿気の予防にスノコが有効なことをご存知の方は多いと思います。 

衣装ケースを直接床面に置かず、間にスノコを入れることで風通しを良くし、湿気を予防するのです。 

 

・衣類圧縮袋 

海外旅行に行く時などに利用する衣類圧縮袋ですが、衣類をトランクルームにしまう時にももちろん活用できます。 

圧縮すればそれだけスペースを有効活用できるのですから、コスト削減につながるというわけです。 

 

 

 

トランクルームに衣類を収納する時の注意点

 

衣替えは晴れた日に 

トランクルームにしまった衣類を最も出し入れするのは、衣替えの時季です。 

そんな衣替えで大量の衣類を収納する時、雨で湿度の高い日だったらどうなるでしょう。 

一着一着の衣類に付いた「湿気」がまとまれば、収納スペース内の湿度を上昇させてしまいます。

したがって、衣替えは絶対に「晴れの日」に行います。 

 

 

衣替えの判断は中長期予報で! 

特に春先に多いのですが、「もうすっかり暖かくなったな」と油断して冬物を収納してしまうと、「花冷え」といって震えてしまうような日が来たりします。 

そうなると一度しまった冬物を取り出しに、何度もトランクルームに通う羽目になってしまいます。

 シャツ一枚で過ごせるか、上にカーディガンやジャケットを羽織るかは、大体20℃を境に切り替わるようです。 

そこで中長期の天気予報で最高気温をチェックし、20℃を上回る日が多くなった時点で衣替えをすれば、何度もトランクルームに通うということにはなりません。 

 

 

 フィッティングルーム付のトランクルームをクローゼットとして使う

我が家のトランクルーム活用の1番のポイントは、この「トランクルームを第2のクローゼットとして使う」という利用法です。 

これはその場で着替えることのできる「フィッティングルーム」が付帯するトランクルームを見つけたからできるようになったテクニックなのですが、冠婚葬祭やパーティーの時、自宅からは普段着で出かけます。 

そしてトランクルームで収納してある礼服や着物に着替えて行くのです。

 

帰りはそのまま着ていたものを収納してしまうとカビや虫喰いの原因になってしまうので、クリーニングに出しますが、トランクルームで普段着に着替えてから自宅に帰ることができるので、ものすごく楽です。

女性は、履きなれないヒール靴もそこで着脱できるので、トランクルームまでの移動はスニーカー&デニムでOKです。 

 

 

 

【結論】トランクルームの肥やしを防ぐために

ドレス

 

自宅以外に衣類の収納スペースができると、ついつい何でも収納してしまい、タンスの肥やしならぬ「トランクルームの肥やし」となってしまいがちです。 

そこで細々したものは宅配型トランクルームに送り、スタッフが写真を撮ってリスト化してくれるサービスを利用します。 

そうしておけば断捨離する時にも楽ですし、コーディネートのシミュレーションにも活用することができます。 

 

 

トランクルームバナー

 

 

文:友三郎 (40代・元歌舞伎役者、現ファイナンシャルプランナー)