遡ること約十年。2020年に巻き起こった「断捨離」ブーム。

ですが、モノを減らすだけでは、部屋は片付きません。

 

整理収納アドバイザーの資格を取るべく勉強していくうちに、「断捨離」とは「モノを捨てる」だけではないという事実が判明したのです。

今回は「断捨離」の本当の意味について考えてみました。

 

 

 

私が「断捨離」を始めようと思ったきっかけ

 

私が自宅を片付けようと思い立ったのは3年前のこと。

息子の中学受験がきっかけでした。

もともとモノが多いのに、塾のプリントが毎日のように家に持ち込まれ、管理しきれなくなったのです。

そこで、一念発起して片付けを始めることにしたのです。

 

手始めにネットで「断捨離」や「片付け」と検索。

「とにかくモノを減らし、捨てる」ことに集中しました。

このときは、完全に「断捨離=捨てる」という意識でした。

 

さらに「捨てる」のではなく、「手放す」方法もネットで検索して調べました。

「手放す」方法が分かってから、モノを処分することへの罪悪感がなくなっていきました。

おそらく「捨てハイ状態」(処分することが楽しくて仕方がないハイテンションな状態)もあったのでしょう。

洋服や食器などは気軽に手放せるようになりました。

(詳細はこちら

 

自分が管理しているモノが減っていくと、今度は夫や子どものモノもこっそり捨てるようになりました。

もちろん、明らかに使っていないと判断したモノだけですが…。

このときは、自分のしていることが間違っているとは思ってもいませんでした。

 

 

整理収納アドバイザー2級認定講座で知った断捨離の真実

 

家のモノはだんだんと減っていきました。次に考えたのは、どんなふうに片付けていくかということ。

ですが、独自のやり方では今までどおりリバウンドしてしまうのは目に見えています。

今までも、「一気に片付けてはまた散らかる」を繰り返していたからです。

 

そこで、ネットで検索していたときによく出てきた「整理収納アドバイザー」という資格が気になり、整理収納アドバイザー2級認定講座を受講することにしました。

(詳細はこちら

 

整理収納アドバイザー2級認定講座で学んだのは、整理収納の基本、片付けのマインドなど。

片付けに関するノウハウがぎっしり詰まっていました。

 

その講座の中で、「なんでも捨てればいいわけではない」という講師の言葉を聞いて、ハッと我に返りました。

今までの自分のやってきた片付けは、本当に正しかったのだろうか?

いくら使っていないからといって、家族の気持ちを無視して勝手に捨てていたのは間違いだったのでは?

こんな考えにたどり着いたのです。

 

私は「断捨離」という言葉の意味を深く考えず、流行語のように軽い気持ちで使っていました。

ですが、実は断捨離には「捨てる」以外にも意味があることに気づかされたのです。

 

 

「断捨離」の本当の意味って?

wikiを参照してみると、以下のように書かれています。

  • 断:入ってくるいらない物を断つ
  • 捨:家にあるずっといらない物を捨てる
  • 離:物への執着から離れる

 

もともと「断捨離」はヨガの思想です。

やましたひでこさんが2009年に出版した『新・片付け術 断捨離」がベストセラーとなり、翌年の新語・流行語大賞にもノミネートされました。これを機に、世の中では「断捨離ブーム」が起きました。

 

ですが昨今、「断捨離」という言葉だけが一人歩きして、本来の断捨離の意味は置き去りにされてしまったような気がします。

実際、私も断捨離は捨てることだと思っていました。いまだに断捨離=捨てると思っている人も多いでしょう。

 

断捨離の意味を調べてみて、あらためて私がしていたことは断捨離の「捨」だけだと気づかされました。

本来の断捨離とは程遠いものだったのです。

 

参考URLはこちら→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%AD%E6%8D%A8%E9%9B%A2

 

 

断捨離の「断」を意識していく

 「捨てる」だけでは、モノは減りません。わが家が片付かない原因はそこにあったのです。

整理収納アドバイザー2級講座を受講し、あらためて断捨離の意味を知ることで、私の片付けの考え方が変わりました。

 

わが家のモノへの関わり方を思い返してみると…

家族そろって「断」(入ってくるいらない物を断つ)が苦手です。

「もらいグセがある」と言ってもいいほど、何でももらってしまいます。

つまり、わが家は「断」を改善しなければなりません。

 

ですが、家族の性格を変えるのは至難の業。「断」を家族に強いても難しいのは目に見えています。

なので、せめて自分だけでも「断」を実行することにしました。

これまで自分がやってきたことを考えてみると…

 

・使わないのに試供品をもらってしまう

・おまけや特典がついているモノを選んでしまう

・たいして欲しくもないのに懸賞に応募する

・親や親戚が押し付けてきたモノを断れない

 

ざっと例を挙げても、かなり必要のないモノを持ち込んでいるのが分かります。

私は断るのが苦手なタイプ。

ですが、なんとか頑張って「断」を意識した行動を心がけるようにしました。すると、家に入ってくるモノがかなり減りました。

 

こうして気づいたのは、必要ないのに家に持ち込んでいたモノは収納する定位置がなく、ちょっとしたスペースに置いてしまいがちなこと。

どこに置いたのかも忘れてそのまま放置し、モノが増える原因となっていたのでした。

 

 

断捨離の「離」を心がける

次に「離」(物への執着から離れる)も心がけるようにしました。

私の場合、「もったいないからとっておく」「いつか使うかもしれない」と思って捨てられなかったモノが多くありました。ですが、結局そういったモノを使うことはありません。

 

そこで「もったいない」という気持ちを捨てる努力をしました。すると、よく使うモノに対する愛着は湧いても、使わないモノに対する執着は以前よりも湧いてこなくなりました。

 

また、私には「収集癖」があり、本やパンフレット、CD・DVDなどは思い入れがあってなかなか断捨離できませんでした。

けれども、20年以上経っているのに1度も見直したことがないモノばかり。

手放したいと思っても、そう簡単には踏ん切りがつきません。

 

そこで、未来の自分に問いかけてみたのです。

5年後、10年後、果たして自分はモノだらけの生活に耐えられるだろうか?

時が経つにつれて体力も衰え、片付けもままならなくなるでしょう。今のうちにモノを減らして、暮らしやすい生活に変えていったほうがいいのではないか?

 

すると、自分でも不思議なくらい気が楽になり、残したいモノと手放していいモノを仕分けることができたのです。

 

 

断捨離の意味が分かればモノは片づけられる

 

自分が断捨離だと思ってやっていたことは、ただの「捨てる」行為でした。

ですが、本来の断捨離の意味に気づき、意識するようになってからは、モノが片付けやすくなってきています。

 

使うモノ、お気に入りのモノだけで暮らせたらいいなと思えるようになりました。

とはいえ、家族は相変わらずモノをもらってきます。

そこはイライラしても仕方がありません。今後も自分なりの判断基準で断捨離を続けていくつもりです。

 

 

 

 

 

文:kotchan