「自分だけの世界」を持っている人って、いますよね。

趣味だったり、夢中になっているものだったりは人に邪魔されたくないもの。

今回は、そんな世界を持った腐女子A子のお話です。

 

 

オタ活に全力をそそいだ友人A子、結婚後の生活に「不安しかない」

秋葉原

 

いわゆる“腐女子“として長年活動してきた友人のA子は、高校卒業後も腐女子として活躍しながら社会人をしていました。

見るだけではなく、A子自身も漫画を描いてコミックマーケットに出品するなどかなりの入れ込みようだったため、自分で築いた財産だけではなく、他の職人の成果物も購入し、彼女の実家の部屋は大変なことになっていました。

 

私は、自分だけの世界を持つA子のことを尊敬していました。

というのも、実はA子は、腐女子としての顔を持つ一方、まったく別ジャンルの仕事を本職としていました。

A子は高校卒業後、すぐに地元の地銀を受けて、銀行員としてかなりお堅い仕事をしていたのです。

 

ある日、私あてにA子から電話がありました。

「どうしよう!職場の同僚から告白されちゃった!」と興奮するA子ですが、私からすれば、高校時代から頭もよく、見た目も一目で腐女子とは絶対に気づかない感じだったため、「やっぱりA子の魅力は放っておかれるものではなかったんだな」と納得できるものでした。

 

A子と同僚の男性は、その後とんとん拍子で結婚する運びとなり、A子の不安は日ごとに大きくなっていきました。

なぜなら、A子は職場の銀行内では趣味を1mmもにおわせたことがなく、プロポーズされた男性にも「漫画が好き」という程度しか明かしておらず、オタ活まっしぐらの腐女子であることは秘密にしていたのです。

 

A子は「不安しかない」「でも財産を捨てるなら結婚やめたい」とかなり葛藤していました。

しかし、舞い上がる気持ちからプロポーズを受けたA子は、いよいよ結婚の日が近づき、私のすすめでトランクルームを利用することを決意したのです。

 

 

実家を出るタイミングでトランクルームの利用を開始

トラック、ビル、荷物の模型

 

A子の新居のマンションから最寄りのトランクルームを下見に行き、「ここなら全部入るかも…」という広さのトランクルームを見つけたA子。

問題は、ものすごい量の“財産”です。

 

手の付けられない量の“財産”を整理するにも一苦労のA子は、困り果てて私へ電話をしてきました。

A子の実家に呼び出された私は、引っ越し荷物の梱包と一緒にトランクルームに運ぶ荷物を整理することになり、段ボール箱を「新居行き」と「トランクルーム行き」に分けていきました。

 

新居から最寄りのトランクルームは1畳タイプとかなり広めでしたが、「トランクルーム行き」に分類された荷物が多すぎて山積みになってきたため、1畳タイプでも入りきるのか、不安になっていたのをよく覚えています。

 

 

 

腐女子の財産をトランクルームに納めるための整理方法

クリアファイルはクリアファイル専用のファイルにとじる

実際にトランクルームに入ってみると1畳というスペースは、人が入るには狭いけれど、荷物を入れておくには十分なスペースのように感じました。

それでも、効率よくすべての財産を収納できるように、A子と一緒に整理方法を工夫してみたので、ここではその整理方法について紹介したいと思います。

 

まず、A子の財産の一部であるポストカード、フライヤーなどの厚さのないものに関しては、クリアファイルにすべて隙間なく並べて整理しました。

数えただけでもポストカードが200枚以上、フライヤーもそれ以上ありましたが、すべて2冊のファイルに収納できました。

 

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缶バッヂは壁面に端切れの布を張って、布につけまくる

推しのキャラクターの缶バッヂを山ほど持っていたA子。

私が「捨てられるものは捨てよう」とダメ元で提案してみたものの、あえなく断られ、缶に詰め込んでおけばいいかと思ったら、A子は「缶に敷き詰めると、カタチが歪むでしょ」と文句をつけてきたのです。

 

腹が立ってきたものの、終わらないと帰れないと思った私は、100均で目隠し用の布を購入し、その布にすべての缶バッヂをつけていきました。

布はトランクルームの天井から壁面に垂らすように、跡の残らない接着剤で固定。

 

収納の壁面を利用することで、1畳という貴重な床面積をとらずにすべての缶バッヂを整理できました。

1つの壁面は、A子の押しキャラの顔で埋め尽くされているため、我ながら見た目には大変奇妙ですが、効率的な整理方法だと思いました。

 

 

漫画は壁面いっぱいの本棚に整理

山積み漫画

 

一番の問題は、文字通り山積みになっていた漫画本です。

正確には同人誌ということになりますが、1冊1冊は薄いものの、長年のオタ活により積み重ねられた冊数があるため、トランクルームに入りきるかどうか不安でした。

 

そこでA子と私は二人でホームセンターへ行き、トランクルームに入るギリギリの高さのラックを購入。

トランクルームの外で、女2人で必死にラックを組み立てて、天井ギリギリの高さまでの本棚を、バッヂ面ではないもう1つの壁面に取り付けたのです。

本棚にはDVDやCDなども収納できるため、A子が「円盤」と呼んでいたDVD系も、漫画と一緒に整理することができました。

 

 

トランクルームを活用した友人A子に待ち受けていた結末

結婚

 

実家暮らしだったA子は、自分の部屋に最後まで彼氏をあげずに結婚式まであと数週間という頃を迎えました。

当時は、「まだ籍も入れてない男性を自室には招くことができない」などと貞操観念の高い女性ということでごまかしていたそうです。

 

しかし新婚3か月の友人宅を訪れたA子の母親が「あの荷物(財産)はどうしたの?ついに卒業したのね!」と彼女に質問し、それをきいていたA子の婚約者が「そんなにハマってる趣味なんかあったっけ?」と詰め寄りました。

 

結局母親からオタ活をバラされ、結婚するのにこのまま秘密を貫くことは無理と感じた友人は結局トランクルームに婚約者を連れて行ったのです。

交際当初から「家族イベント」「友達と旅行」と休日になかなか1日空かない友人を不思議に思っていた婚約者も、「ちょっと量が多すぎてこの先が心配だけど、早く言ってほしかった」と、あまり怒ることなく受け入れてくれたのでした。

 

結局A子のトランクルームは半年の利用で終わったのですが、トランクルームから新居へ財産を移す際には「整理していたおかげで新居への移動も比較的楽だった」と話していました。

 

財産を整理したことが無駄にならず、A子も幸せになったので、私としては「ハッピーエンド」だと思います。

 

 

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