長年会社を経営しているとどんどんモノが増えます。
従業員の増加とともに。
業務の増加とともに。
放っておくと、それこそあっという間にモノは倉庫を占有し、やがてはオフィススペースにまで侵略していきます。
設備関係の仕事は、オフィスを持たずに会社を経営されている方も多いのです。
作業は現場で行うので、実際オフィスを持つ必要性はあまりありません。
しかし問題があります。
それは商品や部材、道具などのストック場所。
そこで、屋外にコンテナを積み重ねて設置されているコンテナストレージをレンタルすることに。
これが使い方次第で、想像以上に便利だったのです。
外部にコンテナ倉庫をレンタルした
・本社倉庫が手狭になった
当社は、電気工事会社。
事業をはじめやがて軌道に乗り出すと、商品や部品などの在庫品が、本社倉庫に増えてきます。
そうなると、たまにしか使わないものを探し出すのに時間がかかったり、まだ在庫があるのに重複して発注してしまったり、一度雑になると原状復帰はなかなか難しくなってしまいます。
そこで、本社に置いておく必要がないものは、優先順位をつけて外へ出すことにしたのです。
・外部に出していいもの悪いもの
高価でない部材、回収品、資材、利用頻度の高い部材などは屋外コンテナで管理することに。
高価な部材や機材、測定器、利用頻度の低い部材、預かり品、新品商品などは本社倉庫で管理することにしました。
・目的を明確にした
管理を徹底させるために、導入の目的を明確にしました。
「コンビニ倉庫化で業務効率を上げる」と目的を明確に掲げ、その下でさまざまなルールを決めていきました。
時間効率を上げる
・「見つからない」をなくす
仕事で使うものなので、探すのに時間がかかっては効率が下がり、作業にも支障がでます。
必要なものが必要な時にすぐに手にできて、現場に向かえるようにしておくことは必須です。
・「コンビニ的な便利さ」をめざす
コンビニ的とは、1年365日24時間いつでも、望む時に出し入れできる状態のこと。
早朝の出発でも、深夜の帰還でも、どんな働き方にも対応できることがコンテナの魅力です。
ただし、出し入れが夜間の場合は気を使います。
周囲の迷惑を考え、会話もできるだけ控えるように指示していました。
資金効率が上がる
・「ダブってる」がなくなる
倉庫が整理整頓されていれば、足りない部材や資材はすぐに発注がかけられます。
新たに仕入れたら奥の方にあった、なんてことも一度もありませんでしたので、資金的にも高効率を維持できたと思います。
・仕組みが簡潔だと無駄な時間もお金もかかない
借りたり解約したり、という契約手続きはすごく楽でした。
申込書を郵送してもらい、署名押印して必要書類とともに送り返すだけ。
決済はクレジットカードを選択したので、オンラインで片付きました。
手続きが終わると鍵が郵送され、鍵を受け取った日から使えます。
解約時も鍵を郵送すればOKで、まったく手間がかかりませんでした。
コンテナ内にはルールを設ける
・庫内を煩雑にしないために
多数の従業員や協力企業の職人さんが出し入れするので、収納場所をしっかりと決めておかないと、庫内はあっという間に山積み状態になってしまうと最初から予測していました。
そこでホームセンターでスチール製の棚を購入してきて、庫内の左右に設置。
部材、資材と分類し、さらに定番品とそれ以外に分け、下から重い順に収納場所を決めていきました。
最下部には電線や通信線、中段には小さな在庫品、上段には小物や部材を配置しました。
さらに、特殊な工具や測定器なども、消耗品類とは別に配置しました。
そして、全てのスペースにテプラで定位置を掲示しました。
ポイントは、「勝手のわからない人でもすぐにわかる」。
・ゴミ箱設置
収納品名を掲示したことで、適当に置くということがなくなりましたが、さらに「整理責任者」を置き、常に庫内の整理整頓を徹底しました。
また、ゴミ箱も設置しました。
作業から帰ってくると、車中は意外とゴミがたまっています。
大きなものはそれなりに廃棄できるのですが、細かいゴミのためにホームセンターで分別用に分かれたゴミ箱を買ってきて庫内に設置しました。
紙くずなどの「燃えるゴミ」、プラスチックなどの「燃えないゴミ」、銅線などの「資源ごみ」、「空き缶」、「食べ残し」に分け、事業用ゴミシールを常備して、ゴミ収集に合わせてこまめに排出するようにしました。
おかげで、車内も庫内も、周辺もゴミに汚染されることなく、清潔な環境で仕事ができていました。
・周囲の居住者や同業者とも仲良くしよう
当社が借りていたコンテナ倉庫は、大中小合わせて30庫ぐらいが並んでいました。
意外と他にも、職人さんが倉庫として活用していることが多くて驚きました。
業種は様々で、当社のような電気工事会社から、塗装屋さん、板金屋さん、屋根葺き屋さんなど。
なんとなく世間話をすることから、仕事の依頼をするなんてことまで発展した職人さんもいると聞きました。
コンテナを通じて、「異業種間の情報交換の場」的な活用もできていたようです。
無人の倉庫を借りる心配事
・夏の庫内は大丈夫か?
炎天下、コンテナは放置状態ですので庫内温度が気になっていました。
中を見ると、小さな排気口がいくつか設置されているだけ。
庫内は基本的にベニヤ板で囲っているだけのようで、断熱材などは当然入っていません。
外気が40度になろうものなら庫内はどんな状態になるのだろう。
なんていう心配をしていましたが、結果的には杞憂でした。
意外と暑くないのです。
猛暑日でもそれほど庫内は暑くならないので、温度に敏感な材料も心配なく保管しておくことができました。
・盗難の心配はどうなの?
高価な測定器などを収納するときや、大量の部材を一括で仕入れて収納するときなんかには盗難の危険性を考えました。
なので、借りる時の条件として人通りがある程度あって、明るいということに気を使いました。
各社、防犯カメラなどは標準的に設置しているようですし、そういう設備は後付けできるものです。
しかし、立地条件はどうしようもないので、まずそこから条件設定して探しました。
ちなみに当社は、5年ほど借りていましたが一度もそれらしき被害はありませんでした。
ほかの入居者も含めて盗難未遂なども聞いたことはありません。
・当たり前だけど夜は暗い?
基本的に、コンテナストレージの庫内には電源がありません。
だから、夜は暗いです。
電源があれば、照明と換気扇ぐらいは設置したいところなのですが。
太陽光パネルと蓄電池でも設置しない限り、電源は確保できません。
結局換気はあきらめて照明だけにしました。
電池式のLEDです。
LEDが進歩してくれたおかげで、電池の持ちもいいですし、何より小さくても明るいのが助かります。
・結局数字に表れないメリットが大きい
料金については、大きな倉庫と比べると単位面積あたりの金額は割高だったりします。
小さいので割高になるのはしょうがないですよね。
それ以上に、24時間いつでも出し入れ自由であったり、面倒な手続きが要らなかったり、そもそも大きな倉庫は不要、なんて小さな会社や個人経営者にはありがたいサービスなので、そのサービス内容をどう見るかだと思うのです。
とくに、企業であれば費用対効果です。
ちょうどいいサイズで使いやすければ、それなりに見返りはあるのです。
その見返りと投資としての賃料が見合っていればいいのです。
うちは実際結局売上が上がったので、コンテナの利用は十分意味があったと考えています。
そういった数字には表せない、大きなメリットがトランクルームやコンテナ倉庫にはあると確信しています。
たとえ割高であったとしても、です。