子どもが生まれた頃からどんどんモノが増え始め、下の子が幼稚園に入る頃には荷物が「玄関」や「ベランダ」にまであふれ出した我が家。
そこでやむなく、私たちが利用したのがトランクルームです。
今となっては、収納するモノに合わせて「屋内型トランクルーム」と「屋外型トランクルーム」、タイプの違うトランクルームを使い分けていますが、始めはその違いが分らず、七五三で着た子どもの晴れ着をカビだらけにしてしまったり……。
月額の利用料金が高すぎて「これなら部屋を借りた方が安いんじゃない?」と思ったりしていました。
今回は、トランクルームを選ぶときに注意したい「5つのポイント」で双方を徹底比較します。
1.料金で比較
都心の屋内型はそれなりの料金がかかる
屋内型のトランクルームは、ビルやマンションのワンフロアをパーティション等で仕切って貸し出すことが多いため、比較的都心部にあり便利という特徴があります。
しかし地価の高い都心部にあるため、どうしても利用料金が高くなってしまうというデメリットもあるのです。
私が自宅近くで借りていたトランクルームは2畳程度の広さで、25,000円(税込み)を少し超えるくらいでした。
コストパフォーマンスでは断然屋外型
広い敷地に輸送用のコンテナを配置し、その中をトランクルームとして貸し出す屋外型は、どうしても郊外にあることが多くなります。
またビルやマンションを利用する屋内型とは異なり、基本的にコンテナを積み重ねておくだけの屋外型トランクルームは設置費用が比較的安く済みます。
そのため屋内型トランクルームに比べ、かなり安い料金で借りられることがほとんどです。
私が借りていたのは2.3畳で1万円程度と、屋内型トランクルームの半額くらいでした。
2.アクセスや荷物の出し入れのしやすさで比較
屋内型トランクルームはアクセス良好
都心部や駅周辺にある屋内型トランクルームは、アクセスするのに便利です。
特に自宅近くに借りることができれば、押し入れやクローゼットを拡張するイメージで利用することができます。
ただ捨てられない本や雑誌、洋服などの他、今は使わない季節家電など、トランクルームに収納するものは重量のあるものも多く、近距離であっても徒歩や電車を利用して手持ちで運び込むのは大変です。
そこでできるだけ車を使いたいのですが、その時ポイントになるのが「駐車スペースの有無」です。
都心部にある屋内型トランクルームの場合、敷地が狭いため駐車スペースがないことも多くなります。
その場合でも近くにコインパーキング等があれば良いのですが、それも無い場合は遠くに車を停めて手持ちで何往復もしなければならず、荷物の出し入れが大変になってしまうので注意が必要です。
屋外型は車さえあれば快適
基本的に郊外にある屋外型トランクルームは、広い敷地が必要なこともあって「駅近」なケースはほとんどありません。
それゆえアクセスするために「車は必須」なのですが、逆に車さえあれば屋内型トランクルームよりも快適なことも多くなっています。
というのも、敷地が広い屋外型トランクルームの場合、車を自分が借りているコンテナに「横付け」することができたりするのです。
そのため荷物の出し入れはビルやマンション内にある屋内型トランクルームよりも「ラク」になり、快適になります。
トランクルームに行くまでは少し時間がかかりますが、荷物の出し入れ時間を考えると、屋内型トランクルームとトータルの所要時間は変わらないという場合もあるのです。
3.収納量で比較
屋内型は0.5畳~2畳くらいが標準的な広さ
屋内型トランクルームはビルやマンションのフロアを細かく仕切って貸し出すケースが多くなっています。
そのため広さは0.5畳~2畳がほとんどで、高さを上手に活用する「縦の収納」を工夫しないと、「せっかくトランクルームを借りたのに、大してものが入らない!」ということになってしまいます。
屋外型はコンテナ1個分を借りることも可能
屋外型トランクルームの場合、コンテナをそのまま1個分貸し出しているケースも珍しくありません。
その場合は狭めのワンルームくらいのスペースがあるため、大量の荷物でも収納することが可能です。
我が家も自宅をリフォームする時、一時的な荷物避難場所として利用していました。
4.安心度で比較
警備員常駐など安心感のある屋内型
セキュリティ面で安心感のあるのは屋内型トランクルームです。
ビルやマンションのフロアを利用しているため人の出入りを管理しやすく、実際に管理人さんや警備員が常駐しているところも多くなっています。
中にはセキュリティカードがないとエレベーターを利用できないようにしているトランクルームもあるなど、セキュリティ面に関してはある程度安心です。
屋外型は「わざと2階部分を借りる」という方法も
屋外型トランクルームの場合、基本的に部外者でも敷地内に入ることができてしまいます。
もちろんトランクルームとして利用しているコンテナには鍵を掛けることができるようになっていますが、人の出入りを管理できる屋内型トランクルームに比べると、セキュリティ面に不安があると言わざるを得ません。
そのため私は「あえて」2階部分を借りていました。
荷物の出し入れに階段を使わなければならない2階部分は不便なのですが、万が一窃盗犯に狙われても、階段を上り下りして荷物を運び出していれば目立ちます。
その不便さが防犯に役立つというわけです。
5.温度・湿度など管理環境面で比較
屋内型はエアコン標準装備
屋内型トランクルームはビルやマンションの一室と同じですから、基本的にエアコンが標準装備されています。
そのため温度・湿度は一定に保たれ、本や洋服、レコードなど、カビが心配なものを収納する時も安心です。
屋外型は工夫が必要
屋外に設置してあるコンテナをトランクルームとして利用する屋外型トランクルームの場合、内部の温度・湿度に対する工夫が必要となります。
エアコンなどの装備はありませんし、通気を良くするために換気口を設けると今度はそこから雨が降り込んでしまう可能性があり、湿気を遮断することは難しいのが実際のところです。
そのためまず高温に弱いものは収納せず、またフロアにすのこを敷いたり、みずとりぞうさんなどの除湿剤を大量に置いておくことが必須となります。
屋内型・屋外型それぞれに向いている利用法
屋内型が向いているケース
屋外型トランクルームのメリットは「温度・湿度が一定なこと」と「セキュリティ面で安心できること」です。
そのため書籍や洋服、着物といった大切でかつ湿気が気になるものの収納に向いています。
(ただし宝石や貴金属といった高額なものはそもそも規約などで収納することが禁止されていることがほとんどですから預かることはできません。)
またアクセスが良いことから、頻繁に出し入れするものを収納するのも良いと思います。
屋外型が向いているケース
屋外型トランクルームに向いているのはある程度の高温多湿にも耐えられるもの、例えばアウトドアグッズや家電品(石油ファンヒーターや扇風機)などになります。
特にアウトドアグッズは遊びに行く途中にトランクルームで荷物をピックアップしてそのまま遊びに行くという使い方ができるのでおすすめです。
というわけで、屋内型と屋外型にはそれぞれにメリット・デメリットがあり、収納に適しているもの、不向きなものがあります。
トランクルームをリーズナブルに無駄なく活用するには、どちらか一方に全ての荷物を収納するのではなく、適材適所でトランクルームを使い分けるのが最大のポイントです。
文:友三郎(40代・元歌舞伎役者、現ファイナンシャルプランナー)
【参考】
https://www.hello-storage.com/