近年、様々なシーンで利用されているトランクルーム。
一般的には、家の建て替えやリフォームの際、家財道具の一時避難場所など短期間での利用。
また、オフシーズンの衣類や日用品、趣味のものやコレクションを預ける倉庫としての利用が多いよう。
さらに、海外赴任や留学、出張など、長期不在のときの荷物の預け場所としても利用されています。
短期間や日常的な利用とは違い、一度預けたら預けっぱなしになってしまう長期利用でのトランクルームの選び方のコツについて考えてみました。
長期不在時にトランクルームを利用するメリット
トランクルームを借りるとなると、荷物を運ぶ手間が発生します。
それでもトランクルームを利用したほうがいいメリットとしては、経済的な理由と環境があげられます。
仮に2年の海外赴任が決まったとして、家財道具一式をそのまま保管するためには家賃を払い続けなければいけません。
家賃の相場は、立地や間取り、築年数など様々な環境によって変わりますので具体的な金額をあげるのは難しいですが、物を収納するという目的に特化したトランクルームに比べると、水回りや生活空間がある分絶対的に割高になります。
ある程度長期間家を空けるのならば、搬入出の手間をかけても、トランクルームに荷物を保管して部屋を解約したほうがトータルで安くなるでしょう。
また、誰も住まずに締め切られた空間には空気が通りません。
空気が淀むと、湿気がたまりやすくなり、かびやにおいの原因にもなります。
その点、空調の完備されたトランクルームであれば、物品の保管の面からも安心です。
長期不在におすすめのトランクルーム
トランクルームには大きく分けて3種類あります。
屋外型は、外に設置したコンテナを仕切って貸し出すタイプです。空調が整備されていないことが多く、保管環境としてあまりいいとはいえませんが、そのかわりに安価で借りられるのが魅力です。
今回は長期で家財道具一式を預けたいので、屋外型はおすすめしません。
次に、屋内型はビルの内部を仕切ったスペースを個別に貸し出すタイプです。
空調設備がある施設が多く、セキュリティの面でも屋外型よりも安全性が高い傾向にあります。
利用料金は屋外型と比べると高くなりますが、それでも家賃を払い続けるよりは安くなります。
最後に、近年増えているのが宅配型です。
荷物をまとめて業者に取りに来てもらうだけで、トランクルームに預けることができます。誰でも入れる施設ではないためにセキュリティが万全なことと、搬入出の手間がかからないのが人気のポイントです。
ただし、小さな荷物しか扱わない業者が多く、家財道具一式となると料金が高くなってしまう可能性があります。
長期間家を空けるのに荷物を預けるのであれば、屋内型か宅配型がおすすめです。
トランクルームを選ぶポイント
それでは、実際にどんなポイントに着目してトランクルームを選んだらいいでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
1.料金
トランクルームの料金体系は、業者によって様々です。
月額利用料が安いからと選んでしまうと、事務手数料や鍵の交換費用、火災保険料など初期費用が思ったよりも多く、トータルのコストがかさんでしまうこともあります。
初期費用も含めた総合的な料金をチェックしましょう。
また、大きな家電を運ぶのに引越し業者などを利用したい場合は、その料金もあわせて確認しておくと安心です。
2.立地
一般的なトランクルームの利用では、重要なポイントになる立地。
しかし不在の間ずっと預けっぱなしになるので、立地にこだわる必要がありません。
トランクルームの相場は、都心と郊外ではだいぶ違います。
搬入にも車を使うことになるでしょうから、駅の近くである必要もありません。
都心からも駅からも離れた、安く借りられるエリアを探しましょう。
3.保管環境
こだわりたいのが、空調などの環境です。
ある程度頻繁に利用するのでしたら、荷物にかびが生えても気がつくことができますが、長期の利用ではそうはいきません。
ホームページを確認して空調完備の施設を探したうえで、事前に施設の見学をしておくと、荷物を安心して預けられます。
また、搬入時にすのこを利用するなど、空気が通りやすいように工夫して荷物を収納するのもひとつの方法です。
4.セキュリティ
保管環境と並んで、譲れないポイントがセキュリティ。
こちらもホームページを確認して、施設のセキュリティ対策について調べておきましょう。
防犯カメラの設置や、警備会社との連携の有無など、施設によって対応がまったく違います。
また、万が一の盗難に備えて、保険への加入を必須またはオプションとしている施設もあります。
あまり情報が出ていないようなら直接問い合わせてみましょう。
5.サイズ
トランクルームには、様々なサイズがあります。
よくあるのが「思ったよりもスペースが余った」というケース。
目安としては、一人暮らしの荷物で1畳程度。ベッドや棚など、荷物が多い方でも1.5畳程度に収まることが多いです。
不安な方は、家具の大きさを計測して収納のシミュレーションをしてみましょう。
長期不在にする場合は、途中で荷物が増えるということはありません。
ちょうどいいサイズのスペースを借りることは、利用料金の節約にもつながります。
6.契約関係
海外赴任や留学前は、様々な手続きで忙しいはず。
トランクルームの契約のために書類を取りに行ったり、郵送で何日も待たされたりするのはストレスになるかもしれません。
特に宅配型のトランクルームでは、ネット上ですべての契約を済ませ、クレジット決済で利用が開始できる業者も多いです。
そういった契約面での利便性も考えてみてくださいね。
7.オプションサービス
業者によっては、オプションで配送サービスを提供していることもあります。
提携業者に依頼することで、他に業者を手配するよりも安く運んでもらうことができます。
配送を頼む予定があるなら、こういったオプションを利用するのもいいでしょう。
8.帰宅後のこと
一定期間の不在の後、帰ってきてからの身の振り方は決まっていますか?
「滞在が長引くことになったので、契約を延長したい」「遠くに住むことになったので、荷物を送ってほしい」「次の家が狭いので、一部の荷物は預けたままにしたい」など、様々なケースが考えられます。
先のことがまだ具体的に決まっていないようならば、契約やオプションについて柔軟に対応してくれる業者を探したり、問い合わせてみたりして不安を解消しましょう。
トランクルームに預ける際の注意点
トランクルームには、貴重品や生ものなど、預けられないものもあります。
事前に確認しておきましょう。
また、荷物を預ける前にはきちんと綺麗にしておく必要があります。
衣類はクリーニングに出し、防虫剤を入れて預けると安心です。
洗濯機や冷蔵庫などの家電製品は意外とデリケートで、何年も使わないでおくと故障してしまうことがあります。
洗濯機は、預ける前の数日は使うのを控え、乾燥させましょう。
いちばん手間がかかるのは冷蔵庫です。
まず、冷凍庫の氷を溶かすために電源を抜きます。
中に食べ物や水分が残っていると雑菌が繁殖し、臭いの元になります。
仕切りを取り出して、それぞれ綺麗に拭きましょう。
そのあとは十分乾かします。
掃除や乾燥が不十分だと、臭いがついてしまったりかびが発生したりして、結局使えなくなってしまうこともあります。
いっそのこと冷蔵庫は処分していくという手段も考えましょう。
まとめ
海外赴任や留学、長期の出張など、家を空けなければいけないときのトランクルームの選び方をまとめました。
とても便利なトランクルームですが、短期の利用や普段使わないものを預ける場合とは、選び方も注意点も異なります。
大切な荷物を気持ちよく預けられるよう、事前の調査や準備はしっかりおこないましょう。
【参考サイト】
海外滞在中に使うトランクルーム選びは日本にいるときとは違う視点が必要!
https://kaigaisokin.net/information/trunk.html
部屋を引き払った後、荷物は全部トランクルームへ収納
https://www.homes.co.jp/trunkroom/press/15