トランクルームを使う理由は、人それぞれだと思います。
例えば、転居先が狭いという理由でトランクルームの利用を考える方もいらっしゃるでしょう。
そもそも預ける必要があるのか?
引越し先に持っていくものと、トランクルームに預けるものの仕分けは?
そもそもトランクルームに預けて大丈夫?
こんな疑問、当然ありますよね。
そこで実際に転勤を機会にトランクルームを利用したことのある経験者が、トランクルームを借りる際の注意点についてご説明します。
1)そもそも、それ本当に必要ですか……?
2010年のことです。
私は生まれ育った東京から、金沢への転勤が決まりました
当時住んでいた東京の賃貸マンションは、30平米ほどのワンルームマンション。
一方転勤先の会社が用意してくれた社宅は15平米ほどで、約半分ほどの広さしかありません。
さらに社宅は、冷蔵庫・電子レンジなど必要最低限の家電製品や本棚・ベッドといった家具類があらかじめ備えつけられているタイプでした。
どうやっても、それまで所有している私物をすべて持っていくことはできません。
とりわけ困ったのが、小学校時代から使っている学習机と本でした。
学習机は本体と引き出しが一体となった、大きくて重たい古いタイプのものです。
本は文庫本を中心に段ボール箱で15箱ほどありました。
引き継ぎ業務などに忙殺されていたこともあって、荷物をどうするかゆっくり考える時間がないまま、赴任のタイムリミットだけが刻々と迫っていました。
「考えるのも面倒くさい!もっていけない分はトランクルームに預けよう。」
私はあまり深く考えることなく、入りきらない荷物はトランクルームを借りて預けることにしたのです。
しかし、これがそもそも大きな間違いでした。
その後3年弱の金沢での勤務を終えて、このトランクルームを解約して荷物を引き上げることになりました。
そこで目の当たりにしたのはあの学習机です。
そのときは、もはや机のことなどすっかり頭から消え去っていました。
先に書いたように、あの学習机は今のものと違って大きく重たいのです。
再び始まる東京生活でも、必要ないことは明らかでした。
結局この学習机は廃棄費用を払って処分することにしました。
お金を払って3年間預けたものに対してお金を払って処分する……。
私は、自分の愚行に、帰りの車の中で一人苦笑いしたのでした。
【ポイント】
引越しは不用品を減らす絶好のチャンスです。
忙しいから、面倒だからといわず、本当に自分にとって必要ものか見極めるようにして下さい。
特に、衣類などはよく考えた方がいいでしょう。
買った当時は最新のデザインであっても、時間が経てばどうしても流行から遅れてしまうものも出てきます。
着ることもない服を大量にカラーボックスに保管している方は引越しを機会に見直しましょう。
本当に必要なものなのか、コストをかけてトランクルームを借りる前によく考えて下さい。
2)預けた荷物はリスト化すべし
実は、荷物を預けた先は、このトランクルームだけではありませんでした。
実家にも荷物を少しですが預けていたのです。
つまり結果的に、転勤先、トランクルーム、実家と合計3か所に自分の荷物を分散させたことになります。
一見、賢明な措置だと思うのですが、これが後に混乱する原因となりました。
ある日、私は社内のゴルフコンペに参加することになりました。
普段からゴルフをするのであれば、社宅にゴルフクラブをもっていったでしょう。
しかし、普段ゴルフをしない私はもって行きませんでした。
ゴルフコンペは次の土曜日です。
金曜日に仕事を終えた私は、大急ぎでトランクルームにゴルフバックを取りに向かいました。
でも、トランクルームに着いて、ゴルフバックを探しましたがありません。
もしやトランクルームが紛失した?あらぬ疑念が頭をよぎります。
「おかしいな、どこにやったのだろう?」と記憶を頼りに4,5分思案したでしょうか。
ハッした私は自分に問いかけました。
「もしかして実家にある……!?」
私は大慌てでスマホを取り出し、実家の母に電話をしました。
「お母さん、オレだけど、もしかしてそっちにオレのゴルフクラブある?」
「ああ、あるわよ。滅多に使わないからって預かって欲しいっていって置いていったじゃない。」
私はゴルフクラブを実家に預けた記憶は全くなく、トランクルームに預けたものだと思いこんでいました。
今から東京の実家にゴルフクラブを取りに行くわけにもいきません。
実家から宅急便で送ってもらっても、すでに集荷は終わっている時間なので翌日には間に合いません。
結局、ゴルフクラブはレンタルをして当日のゴルフコンペに臨みました。
【ポイント】
必要なものが必要な時に取り出せないのでは、トランクルームに預けた意味がありません。
どこになにがあるか事前に把握できる手段を持ちましょう。
トランクルームを借りる際には、何を預けたのかリスト化するのが必須です。
特に私のようにトランクルーム以外にも荷物を預け、預け先が複数になるときは、徹底してください。
3)衣類を預けるときは、温度管理のされている物件を
レンタルルームには衣類も預けていました。
私服とスーツ類です。
6月の初め頃に、クリーニングに出した冬物のスーツやコートをトランクルームに預け、長く続いた残暑の終わった9月末に、そろそろ冬物のスーツを取りにいかなければということでトランクルームに向かいました。
そこで私は目を疑うような光景を目にしました……。
預けたスーツの一部にカビが生えていたのです。
北陸地方というと雪国・北国というイメージが強いと思います。
そのため夏は涼しく短いというイメージを持っている方が多いようです。
私自身も実際に住んでみるまでそう思っていました。
しかし、北陸地方の夏はフェーン現象と相まって気温が急激に上がり、30度を軽く超える日も珍しくないのです。
よく「北国の短い夏」という表現を使いますが、決してそういうものではありません。
また北陸地方は年間を通じて湿度が高い気象特性を持っています。
これでは衣類にカビが生えても全然不思議ではありません。
スーツを家に持ちかえった私はブラシをかけて、一生懸命カビを落としました。
【ポイント】
聞いたところによると、預けた衣類にカビが生えてしまうのは決して珍しいことではないようです。
衣類を預けるときは、出来ればエアコンなどで温度管理がされているトランクルームを選んだ方が吉です。
たとえば、温度管理がされていることをうたっているトランクルームでも、実際は換気扇を回しているだけであって、エアコンを使っていない物件もあるようなので、注意が必要です。
また、トランクルームがある場所の気候風土をよく確認したほうが良いでしょう。
私のようにイメージだけが先行すると実は全然違ったということになりかねません。