トランクルームを初めて利用したのは、社会人1年目の頃。

子どもの頃からとにかく片付けとモノの整理が苦手でしたが、憧れのままに実家を出てひとり暮らしを始めました。

 

私が生業としたのは保育士。

日中ヘトヘトになるまで働いたあと、持ち帰りの仕事をこなしながらも家事を全て自分で担う現実に呆然としながら、毎日ただ忙しさに身を任せていました。

そうこうしているうちに9帖1間の私のワンルームのお城は、足の踏み場のない雑多な物置に……。

 

そんな時に近所で見つけた『トランクルーム利用者募集中』の看板。

これだ!と感じすぐに契約を交わしに行ったのでした。

 

荷物の大まかな内訳はというと、実家から持ってきた分別のできていない私服、バッグや帽子などの小物、仕事着、仕事で使う教材や素材。

結局その後7年間、トランクルームと私の長いお付き合いが始まったのです。

 

トランクルームバナー

 

とりあえず順番に押し込む→ジャンル別に分ける

・ まずは荷物を種類別に分別するところから

契約したのは1.2帖の屋外型トランクルーム。

新設だったため大変綺麗でびっくりしました。

入居手続き後すぐにアパートへ戻り、手当たりしだい荷物をかき集めて車へパンパンに詰め込みトランクルーム内へ荷降ろししていきました。

 

その時は部屋が片付く事がとにかく嬉しくて、分類や整理など一切考えておらずトランクルーム内の整理などはもってのほかでした。

荷物が出たらとにかく手前からぎゅっぎゅと押し込む。

そう、片付けのできない私は『荷物の移動』をしただけで、問題を解決したような気になっていたのです。

 

ある日の会議で「学年ごとにお揃いのエプロンで保育する」という催しが決まり、必要な教材も決まり、あとは指定されたモノを用意するだけでした。

随分前に用意していたからどこかにあるよね、と探し始めたらなんとアパートにない。

じゃあトランクルーム……と考え、疲れきった深夜にひっそりとしたルーム群へ足を向け、荷物の山の中から指定のモノをしわくちゃの状態で見つけることとなるのでした。

 

この日を境にトランクルーム内の整理を決意しました。

このとき、自分のルーム内はあらゆる荷物が折り重なって、はっきり言えばゴミの山のようでした。

ネタであっても人様にお話するのもはばかられる状態で、何から手を付けたら良いかわからないほど。

 

そこで、まずは得意な絵と文を紙に起こすことで可視的に整理の仕方が見えてくるのではないか?と考えました。

紙に書いたのは「何をここに持ってきているか」「どういう配置にするか(種類別にする)」「荷物を出す当面の予定」で、これは後々いいアイデアだったと思うことになるのでした。

 

・ 種類別整理のメリットは「どこにどれがあるか」ひと目でわかること

まずは種類別に分けるお片付けの段階から始まりましたが、とにかく骨が折れる。

なにせ1.2帖のスペースというと、だいたい家庭のキッチンスペースくらいの範囲でしかなく、身動きが取れない。

さらに周りのルームを利用する人の出入りもあるので、人の目も少し気になります。

 

ここを乗り越えたら少しは楽になると言い聞かせ、汗を流しながら頑張りました。

床が見えてきた頃には種類別の分別も並行して始め、その後はそのまま整理を始めなければなりませんでした。

ここで私がポイントにしたのは『ルームのドアを開けて一歩踏み込めばどこにどれがあるか分かる』こと。

 

きっとルームに何か収めに来る、取りに来るときは忙しい中のほんのわずかな時間のはず。

ここで活きてくるのが紙に起こしたメモと絵。

この紙は、つまりルーム内の自分の「地図」なのです。

 

 

・ついついアルバムや漫画に気を取られ、時間も取られる

ここで、突如として作業中に掘り出し物が出てくるなどというのはしばしばあること。

昔の思い出の品が私の手を止めてしまったのです。

元恋人との思い出のモノ、地元のみんなとやりとりした手紙や懐かしい漫画本など……。

いい機会だと思い分別しましたが、結局見返すことで数時間を費やすこととなりました。

 

教訓は、「いま関係ないものには手を出すべからず」です。

いかなる片付けも、思い出関連グッズは一番あとに回すのが吉ですね。

 

 

 

段ボールや衣装ケース→棚を活用して使う順に分ける

幻の整理モードから数ヶ月、社会人2年目を迎えた私はますます任される仕事が増え、部屋は荒れ、トランクルーム内の整理が中途半端に終わっていることなどもすっかり忘れていました。

日々忙しいながらも遊ぶことを覚え、いつの間にやら彼氏もでき、部屋は汚いけれど謎の充実感を得ていました。

 

そんなある時『彼がお部屋に来る』という一大イベントが発生しました。

この有事に奮い立ち、部屋の整理に再び部屋とトランクルームを再開しました。

そう、単に荷物を移動させただけでなんの解決にも至っていないのですが。

 

 

・ 季節を意識しながら、段ボールや衣装ケースを利用して整理した

段ボールと衣装ケースのイラスト

 

彼が帰ったあと、ルーム内に段ボールと衣装ケース、安い棚などを持ち込み再び整理を始めました。

段ボールにはしばらく開けないものを詰めてしまって見えるように内容物の貼り紙をし、衣装ケースは中身が見えるので仕事着や仕事用の素材を入れ込み、安く買った棚には仕事で使う教材を飾りながら整理するという方法でどんどん作業を進めました。

 

荷物を見直すと仕事柄、季節に関わるモノが多かったため、そこに着目していきました。

季節ごとのソートを取り入れた整理方法は比較的うまく行き、その後の仕事への影響はほとんどなくむしろスムーズにモノの管理ができました。

私服や小物も同様に季節ごとに分けていくことで衣替えも容易に済むうえ、状態や流行をみて買い替える検討もしやすかったです。

 

 

 

模様替えを思い立つ→大きさで分ける

ここまでの整理でトランクルーム内の整理が済み、アパートとトランクルームを上手く利用する生活が馴染んで数年経った頃、どちらの部屋も模様替えしたいと思い立ちました。

確かに難なく使えてはいるけどもっとより良くしたいという思いが芽生えたのです。

片付けできない女だった私からすると、大変な意識改革です。

今回は時間は惜しまず、納得のいくルームにしようと決め動き出しました。

 

 

・キャリーケースや大きめのものは横並びではなく上に積む(見える収納)

縦積み段ボール

(C)ICOM

 

まずルールを決めました。

小物は小物、キャリーケースや大きめのものは横並べせず上に積む(見える収納)として、アパートもトランクルームも、同一のルールを決めました。

これは一度決めてしまえば良い習慣が身に付き、継続して整理していけると考えたことからできたルールです。

 

キャリーケースや旅行に行けるくらいのバッグは、ルームに高さがあったためそれを利用して重ねてしまいルームの奥側の壁へ押し付けて、100円均一でも変える滑り止めシートやバンドなどを活用しました。

 

・マグネットがつく壁だったので、フックを活用して小物を整理

フック

 

小物類は特にハットやキャップが好きだったので、トランクルーム内の壁にフック付きマグネットやキャップハンガーをホームセンターから買ってきて壁面を利用した収納をしました。

 

この『見せる収納』は以前に取り入れた方法から派生したもので、少しだけお金をかけてみました。

たまたま壁がマグネットのくっつく素材でできていたため壁を利用できましたが、もし難しいような場合はマスキングテープなどを活用して『貼り付ける収納』を考えることもできるかと思います。

 

 

 

退去に向けての整理で反省

・「 寿退去」することになった

トランクルームを利用し始めて約7年、前述の彼との結婚が決まり引っ越しをすることになりました。

トランクルームとのお別れは悲しいものでしたが退去するにあたり荷物を出しました。

このとき本当に整理していてよかったなと感じたのは、荷積みが楽なことでした。

 

車へ積み込むとき大きさ順や季節ごと、内容のわかる箱にしまうなどなどの工夫のおかげで難しいこともなく、スムーズな退去ができました。

実際そのまま新居へ荷物を持ち込みましたが、誰が見ても私の荷物でどういったものなのか、という大事な情報がひと目でわかります。

 

 

・ 書類関係への配慮が足りなかったことを知る(カビが発生……)

退去した際大きな反省があったのですが、私が利用したのは屋外型だったのもあり、長年ルームへ入れていた書類はうっすらカビやゴワつきがあることが発生していました。

ルーム内で湿気があるなと実感したことは無かったので、とくに湿気対策は取らずに7年利用していたのですが、これが間違いでした。

とくに屋外型トランクルームに預けるならば、書類関係は、きちんと除湿剤の利用や保管方法を検討すべしというのが教訓です。