私は元々歌舞伎の役者。
今でも日本舞踊のお稽古に通っていたりするので、一般の方には想像がつかないほど「着物」が大量にあります。
着物は畳んで平置きにするため、クローゼット内でも場所を取ります。
さらに妻も衣装持ちで、自宅のクローゼットは飽和状態となり、やむを得ず私の着物はトランクルームに収納することになりました。
しかしトランクルームを探し始めてみると、都心の自宅近くにある屋内型は高い!
かといって郊外にコンテナが置いてあるような屋外型トランクルームは湿気や虫食いが心配です。
そんな時、オーダーした茶箱を着物収納ケースにするという記事を発見。
茶箱に着物を収納するというアイデアは昔から知っていましたが、大型のものをオーダーできるとは初耳です。
茶箱なら湿気や虫食い問題もきっと解決。
早速レンタルボックスを契約し、格安で大型のクローゼットを実現することができたのです。
レンタルボックスのメリットとデメリット
レンタルボックスとは屋外に輸送用のコンテナを設置して、その中を収納スペースとして貸し出しているサービス。
同じようなサービスで、一般的に「トランクルーム」と呼ばれる屋内型のものや、荷物の出し入れに宅配便を利用する宅配型などがありますが、どれにもメリット・デメリットがあります。
ここでは屋外型のレンタルボックスのメリットとデメリットを簡単に説明します。
レンタルボックスのメリット
・屋内型よりも広い
ビルやマンションなどのフロアを区切り、トランクルームとして貸し出している屋内型に比べ、大型のコンテナを設置しているレンタルボックスは利用できる面積が広いのが特徴です。
8.0帖といったかなり広いタイプもあり、自宅をリフォームする時の一時保管場所としても利用できます。
私は着物の他に、アウトドアグッズや扇風機・ファンヒーターといった季節家電も収納しているため、4.0帖のタイプを借りています。
・屋内型よりもリーズナブル
レンタルボックスは大きなコンテナを配置するという仕組み上、広めの敷地が必要となります。
そのため、都心部よりも郊外にあることが多いのが特徴です。
結果的に地価が安めの場所にあることが多く、都心部を中心に展開する屋内型よりも面積当たりの料金が安く設定されています。
私の借りている4.0帖タイプも、都心にある屋内型だったら、到底借りられる料金ではありません。
・車を横付けできる
広い敷地にコンテナが設置してあるため、コンテナの扉近くまで車がつけられるところが多くなっています。
そのため大きめの荷物の積み下ろしもしやすく、頻繁な荷物の出し入れも苦になりません。
また私の場合は車で行ってアウトドアグッズをピックアップし、そのままキャンプへ行くといった使い方もしています。
レンタルボックスのデメリット
・湿気が心配
レンタルボックスは輸送用のコンテナをほぼそのまま利用しています。
そのため庫内は日中暑く、夜は冷えます。
すると結露が発生し、庫内は常に湿度が高い状態となってしまうのです。
私がメインで収納する着物にとって一番の大敵はこの湿気。
カビや虫食いの原因となり、着物をダメにしてしまいます。
今回レンタルボックスを利用するにあたり、最も対策が必要だったのはこの点です。
・郊外がほとんどなのでアクセスに時間が掛かる
レンタルボックスは都心部にもあるのですが、料金が高く、また常に満室なため利用することは難しい状況です。
一方郊外にある場合はメリットにも書いたとおり料金が割安で良いのですが、車で行こうとすると渋滞に巻き込まれ、週末などはかなり時間がかかってしまいます。
そこで荷物の出し入れなどは平日に時間を取り、まとめて行うようにしています。
基本的に24時間出し入れ自由なため、予定を組むのに便利です。
・屋内型トランクルームに比べるとセキュリティ面で心配
車を横付けでき、24時間荷物の出し入れが可能ということは、「誰でも」自分が借りているレンタルボックスに近づくことができるわけです。
管理人が24時間常駐していることも多い屋内型トランクルームに比べると、セキュリティ面に不安が残ります。
レンタルボックスのデメリットを「茶箱」でカバー
レンタルボックスの最大のデメリット「湿気」を防ぐために、私は茶箱を使っています。
湿気の多い日本において、湿気を嫌う乾燥させたお茶の葉を保管し続けてきた茶箱は、日本人の知恵と工夫が詰まった最高のクローゼットボックスとなるのです。
着物や洋服に合わせて茶箱をオーダー
茶箱はあくまでもお茶を保管するものですから、着物の寸法に合っているわけではありません。
そこで自分の着物の身幅などに合わせ、茶箱をオーダーしました。
寸法さえきちんと指定すれば、ちゃんと作ってもらえます。
ネットで発注することができるので、比較的簡単に手に入れることができます。
縦位置で使用&レールの取付で取り出しやすくする
茶箱をそのままの状態で使うと、下に入れた着物が取り出しづらくなってしまいます。
そこで茶箱を冷蔵庫のように縦にし、内部の両脇にレールを付けて板を渡し、棚のようにしてみました。
着物を取り出す時は、板を手前にスライドさせれば簡単に取り出すことができます。
これで私の茶箱タンスが完成です。
断熱材が使用してあれば内部温度はそれほど上がらない
心配していた温度差ですが、レンタルボックスではコンテナの内部に断熱材を使用したタイプがあり、真夏でも外気温+5℃程度に収まっています。
レンタルボックスの利用で実際気をつけていること
あえて2階を選ぶ
私が利用しているレンタルボックスは、コンテナが2段に積み重ねられているため、契約時階数を選択できました(空室があればですが)。
2Fの場合、荷物を出し入れする時に移動式の階段を持ってきて、何度も上ったり降りたりしなければならないため面倒で、そのやめ賃料も安く設定されています。
しかし私が面倒くさいということは、窃盗犯も面倒くさいはずです。
窃盗はほとんどのケースで2~3分の間で行われているそうです。
とすればゴロゴロと大きな音を立てて階段を移動させ、何度も上ったり降りたりしている時間はないはずです。
この「面倒くささ」を逆手にとって、防犯対策とすることとし、私の場合は2F部分を借りています。
もちろん料金が安く設定されているのも嬉しいポイントです。
近くに人通りがあること
レンタルボックスを借りる時は3カ所くらいの候補を選び、昼間、そして夜間の人通りチェックしました。
やはりあまりに人通りがないと、窃盗犯などが行動しやすくなってしまうと考えたからです。
ちょうど近くにコンビニがある物件があったので、そこを契約しています。
今回はオーダーした茶箱を使って私の着物を収納するお話をさせていただきました。
実際、茶箱の防湿機能はかなり優れていて、カメラなどの精密機器やアナログレコードなど、湿気に弱い他のものを収納しても問題ありません。
収納するものに合わせて大きさも自由にオーダーできますし、レンタルボックス&茶箱収納法、皆様にもおすすめです。
文:友三郎(40代・元歌舞伎役者、現ファイナンシャルプランナー)