「持たない暮らし」というと、あなたはどんな暮らしを想像しますか?

人によっては「部屋が殺風景になって寂しそう」「私は好きなモノに囲まれていたい」と思うかもしれませんね。

ただ私の場合、実際に「持たない暮らし」をしてみると、モノが多かったときよりも心が満たされました。

 

そこで今回は、ミニマリストになって1年経つ私が「持たない暮らし」の始め方を紹介します。

「持たない暮らし」を知って、こういう幸せな暮らし方もあるんだ!と、参考にしていただけると嬉しいです。

 

 

「持たない暮らし」って何?

「そもそも『持たない暮らし』って何?」と疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

確かに耳慣れない言葉ですし、実際、私も一年前までは聞いたこともありませんでした。

 

「持たない暮らし」とは何なのかというと、なるべくモノを持たないでシンプルに過ごす、というような暮らし方です。

具体的には、生活に必要な最低限のものと、厳選したお気に入りのものだけで暮らします。

 

私の部屋は、こういった感じになっています。

 

自分の部屋

 

人によっては殺風景と感じるかもしれませんが、私にとってはシンプルで気持ちの良い部屋です。

ただ、多くの人はきっとこう思うでしょう。

 

「モノがたくさんあった方が便利じゃん」「たくさんの好きなモノに囲まれていた方が幸せでしょ?」と。

 

「持たない暮らし」をしている人それぞれに理由がありますが、私の場合は「人と会う時間を大事にしている」というのが理由です。

 

でも、この理由から「持たない暮らし」を始めるに至るのは、あまり理解ができないかもしれません。

私が「持たない暮らし」を始めるに至るには、こういった経緯がありました。

 

 

心の病と通勤中に気絶した経験

私は、今から3年くらい前に「心気症」といわれる心の病になってしまいました。

暗い話ですみません。でも、少しだけお付き合い頂けると嬉しいです。

 

私は、この経験で「人生で本当に大切なこと」に気づきました。

それを知ってほしいんです。

 

「心気症」というのは自分が死に至る重い病気にかかっているのではないか、と思い込んでしまう精神疾患です。

このとき常に私は「死」について考えていました。

友達といるときも、「死」が頭から離れません。

 

その後月日は流れ、今から1年半ほど前に通勤中に意識を失い、病院に運ばれました。

救急隊員の人の話では、電車の中で泡を吹いて倒れていたそうです。

幸い、命に別状はなく点滴をして帰宅しました。

 

そのとき、私は思ったんです。「人間っていつ死ぬか分からないよね」と。

そして、人間が生きているうちにできることは、好きな人とたくさんの時間を共有することだと気付いたのです。

 

 

モノはお金さえあれば誰でも持てるけど、友達と私の関係、家族と私の関係は、私にしか経験できないことだと思ったからですね。

生活に多くのモノが必要だと、その分お金がかかります。お金がかかるということは、それだけ働かなければいけないということです。

 

生活に必要なものを減らせば出費が減り、働く時間が減るので、好きな人と会うことに時間が使えます。

以降、私のモノに対する執着は全くといって良いほどなくなり、自然に「持たない暮らし」に近付いていきました。

 

 

「持たない暮らし」の始め方

「持たない暮らし」を始めるには、自分にはこれだけは必要だ、というものを決めることが大切です。

なぜかというと、多くの人は何も考えないで「持たない暮らし」を目指してモノを捨てまくってしまうからですね。

 

その結果、そういった人たちは「モノが減っても快適になるどころか、むしろ虚しくなった」と元の暮らし方に戻っていきます。

なので、あなたが楽しく暮らすには何が必要なのかということを、しっかり自分と対話して明確にしておくことが大切なんです。

 

私の場合は、「人と会うこと」と仕事道具の「PCとスマホ」「コーヒー」でした。

それ以外のモノは思い切って捨てました。

 

本棚

 

例えば、本やCDも全て捨てましたし、服も1週間分の7セット以外は捨てました。テレビゲームやカードゲームも売りました。

それでも、私は幸せに暮らしています。

 

とはいえ、「私には捨てられない」という人も多いと思います。そんな人に向けて、具体的なモノの捨て方をご紹介します。

 

 

気持ちの良いモノの捨て方

生活用品を捨てる方法

まず、一番最初に減らしたいのが、不必要な生活用品です。

ここは意外と簡単です。なぜなら、精神的な抵抗が少ないからですね。

必要ないと分かれば、捨てることができますよね。

 

生活用品を捨てるときの基本的な考え方は、「用途が被っているモノは捨てる」ということです。

同じ用途のモノは2つ持っている必要がありませんよね。

例えば、アボガドカッターとかゆで卵カッターなどがその典型例です。

包丁があれば、事足ります。

 

鍋

 

このように考えると、意外と多くのモノが捨てられます。

私の場合は、お洒落な鍋を皿としても使っています。これで皿も捨てられます。

 

もちろん、どこまで許容できるかは人それぞれですが、この考え方を持っておくと捨てるかどうか迷ったときに決めやすいですね。

 

趣味・思い出の品を捨てる方法

CD

 

大変なのが「思い入れのあるモノ」を捨てることです。

例えば、趣味に使う道具だったり、学生時代の思い出の品だったりします。

ただ、ある方法を取り入れることで、捨てるときに少し気が楽になります。

 

その方法とは、写真に撮って「今までありがとう」と言って捨てることです。

なぜ、この方法で捨てるときの気持ちが楽になるかというと、趣味や思い出の品を捨てられないのは、モノ自体を捨てられないのではなく「思い出」を捨てられないだけだからです。

 

例えば、卒業アルバムを捨てられないのは、アルバムを手に取って思い出を振り返ることができなくなるからですよね。

なので、思い出の品は「思い出を思い出す装置」として、写真に撮って残しておきます。

 

友達からもらったプレゼントなど、捨てるのが心苦しかったりしますが、写真に撮って「ありがとう」と感謝して捨てます。

1番大事なのは気持ちです。モノを残しておくことだけが「大事にする」ということではありませんよ。

 

 

持たない暮らしを目指す意味

ここまで「持たない暮らし」の始め方について紹介してきましたが、やっぱり1番大事なのはそこに意味を見出しているかということです。

「持たない暮らし」を目指してモノを捨てたところで、その暮らしに意味が感じられなければ元の生活に戻ってしまいます。

 

そして、私はそれも悪くないと思っています。

ただ、私が伝えたいのは「持たない暮らし」によって大事にできるものもたくさんあるよ、ということです。

モノがたくさんあるからといって幸せなわけではないですし、モノが少ないからといって貧しいわけではありません。

 

そして、「持たない暮らし」を知ることで、多くのモノは必要がないのだと気付けます。

それに気付けば、不必要なモノを買わなくてよくなり、働く時間を減らすことができ、大切なことに時間を割けるのです。

 

それが私にとっては「好きな人と時間を共有すること」だというだけです。人それぞれ、幸せの形は違います。

あなたが幸せに感じるときは、どんなときですか?

 

もしかしたら「持たない暮らし」をすることで、その時間を増やすことができるかもしれませんよ。

 

幸せを感じるとき

文:今野直倫(20代・放浪のバリスタ兼WEBライター、ミニマリスト)