そろそろ引っ越そうか、という話が出始めた我が家。
夫(わたし)は自然豊かな田舎暮らしをひそかに目論んでいるのだが、どうやら妻は依然都会派希望。
はやくも意見の食い違いが予想される我が家の引っ越し計画。
さらに、引っ越しには整理が必要だという視点から断捨離をもちだしたのだが、これが話をややこしくしてしまった。
結局トランクルームに保管する案が浮上したのだが、それは断捨離ズムにマッチするのだろうか。
男の収集癖が理解できない妻
なぜか男には収集癖があるらしい。
逆に何かを収集している女を僕は見たことがない。
我が妻のようにファッション小物が好きで買い続けて、気がついたらコレクションになっていた、というパターンがほとんどではないだろうか。
男は収集することに喜びを感じ、女は所有することに喜びを感じるということかもしれない。
「好きなものがいっぱいある」。
そこに幸福感を感じるらしい。妻を見ているとそう思う。
なので、彼女はわたしの収集癖には全く理解を示さない。
たぶんわたしのコレクションなど子供のもの集めと同じくらいにしか見ていないのだろう。
バックなんかひとつあればいいじゃん、と思う夫
かくいうわたしも、妻のコレクションに理解を持っているわけではない。
バッグなんて一度にひとつしか持てないのに、そんなにたくさん所有してどうするのだろうか。
サイズや用途によっていくつか所有する必要性は理解できる。
が、同じサイズのハンドバッグがクローゼットの中を所狭しと占拠!している。
これが理解できない。
価値が上がるものでもないだろうし。
対して、わたしのコレクションは価値があがる、はずなのだ。
結局家庭内のことは妻に勝てない夫に逃げ道はあるか?
そうはいっても、どんなに抵抗しても、家の中のことに関して夫であるわたしには勝ち目はない。
最終的には押し切られてしまうのは目に見えている。
断捨離のうえ、仕分けの段階になれば確実に負けてしまう。
わたしのコレクションなどひとたまりもなく仕分け対象にされてしまうだろう。
となれば、廃棄か売却しかなくなる。
そうなる前になんとか対策を打てないだろうか?
断捨離仕分けの対象にならないようにするにはどうしたらいいだろう?
家庭内断捨離紛争勃発
とうとうスイッチを入れてしまった、娘も巻き込んだ家庭内断捨離紛争。
2対1で攻め続けられるのだろうか。
ところが、断捨離を始めてみてわかったのだが、我が娘はどうやらわたしよりに育ったようだ。
夫婦で基準が違うから断捨離に揉める
妻の基準はいつか使うかも、で夫の基準は今必要ないものがいつか必要になることはない。
これはあくまで我が家の基準。逆パターンの家庭もあるだろう。
まずは着るものからデパートの紙袋に至るまでをすべて、床に並べて検証することにした。
そうしたら冷蔵庫の横から大量の紙袋が出てくるので驚いた。いつからこんなに溜め込んでいたんだろう?
さっさとゴミ袋に入れようとする夫と、もったいないとってそれを阻止しようとする妻。
ここで予想もしない展開に驚く二人。
なんと娘がさっさと紙袋をゴミ袋に入れ始めたではないか。あっけにとられる妻を尻目に男前になった娘はさっさとゴミをまとめる。
思わぬ救世主にほくそ笑むわたしと目が点の妻。
これで揉め事がおきても娘の介入で丸く収まるのではないか。
女は淡々男は未練?
そう思っていたのだが、我が家は妻の方が未練未練で、夫が淡々、だった。
たとえば時代遅れの洋服たち。
段ボールにしまわれていたのでとっくに存在を忘れていたのだが、我が家にはバブル期に流行った肩パッド入りダブルのスーツとかボディコンドレスなんかがどっさり保管されていた。
妻は覚えていたらしいが、わたしはまったく忘れていた。
こんなの、即廃棄!のはずが、懐かしくて捨てられないという妻。
面白がる娘。
娘にボディコンを着させてみる。
それなりに似合う。
さすが我が娘。
……しかしだからといって保存しておく理由にはならない。
古着屋さんに持ち込んでもとても着てくれる人がいるとは思えないので、早速廃棄用ビニール袋へ突っ込む。
しばらく他の作業をしているとさっきゴミ袋に突っ込んだボディコンを惜しげに袋から引っ張り出す妻。
すかさず娘がレッドカード。
やはり我が家では、妻が未練もちだったようだ。
どこで折り合いをつけるか、家庭の断捨離
双方の大事な荷物について理解のない夫婦だということが露見した我が家、なかなか断捨離が進まない。
わたしがボディコンをあまりにも慈悲なくゴミ袋に突っ込んだものだから、今度は妻がわたしの釣道具に目をつけた。
明らかにリベンジ顔をしている。
釣竿なんて一本あれば十分。
これは売れるからメルカリに出そう!ときた。
確かに食べるために魚を釣るだけなら竿一本でいい、かもしれない。
が、しかし釣りにだって色々ある。
海か川か、船か岸壁か磯か、などによって竿は違うんだ!
でも確かに新しいものが出ると欲しくなるし、その繰り返しでコレクションが増えたのも事実。
実用的に考えたら不要な竿の方が多い。でも、捨てられないのは収集癖のせいだろうか。
しかし、ここで大事な釣竿を売られてはたまらない。
なんとか死守せねば。
結局、思い出のボディコンだけを何着か記念にとっておくことと引き換えに釣竿の処分は免れた。
ところどこで折り合いをつけるかがポイント、というかどこかで折り合いをつけなければ相打ちになりかねない。ということを実感した。
保管は待避?断捨離?
折り合いの先に外部保管という手段を考えたのだが、これは断捨離になるのだろうか?
それとも単なる回避に過ぎないのだろうか。
トランクルームは断捨離の救世主か?
夫婦の折り合いの行き着くところとして、最近はやりのトランクルームを考えてみた。
今現在使わないものを、処分するのではなくトランクルームに預けてしまえば家の中は確かに片付く。
気分的にも断捨離的だ。
しかし、とりあえず使用しない所有物たちを一時的?にトランクルームに退避させることは、断捨離ズムに合致するのだろうか。
手元に物がなければいいのか?
単に目の前からものがなくなればそれでいいのだろうか。この件については、娘も含めた家族で話し合ったのだが、なかなか結論が出ない。
厳密には断捨離ではないのだが、我が家では所有物の処遇としてはこれでいいのではないか。
今使わないからといって、すべてを廃棄したり譲渡したりする必要があるのだろうか。
我が家のワンコを見ていると、迷う。
彼らは何も所有していない。
飼い主の愛さえあればあとは何もいらない、と言っている。
それでも幸せなのだ(多分)。
そう考えると我が家の断捨離ズム制定に迷いが生じるのだ。
結局、倉庫にしまう、は断捨離成立か?
おそらく、トランクルームに保管しただけでは頭の片隅に、その存在が残っていて究極的には断捨離ズムの思想にマッチしないだろう。
やはり、自分の所有権を完全に離すことが重要なのだろう。
これがなければ、断捨離は成立しないと思う。
のだが、心情的にはまずはどこかに置いておきたくなるのである。
本来、モノへの執着を捨てて自身のこころを解放する、というのが断捨離の大きな目的なのだが、なかなかその領域まで達することができない我が家としては、トランクルーム保管も断捨離として認める、という甘々のルールに落ち着いた。
我が家の断捨離スタイル
結局、我が家ではトランクルーム保管も断捨離として認めよう、という結論に達したので、次にどう使うかを考えてみた。
断捨離の離、が夫婦の妥協点
まずは、トランクルーム保管も断捨離として認めるという「基準」をはっきりしておくことにした。
そして「所有物を身の回りから離す、ということで、必ずしも所有をやめる必要はない」と定義した。
これで、お互いの大事なコレクションに傷がつかずに済んだ。ここが、わたしたちの妥協点だったのだ。
まずはトランクルームで冷却期間
しかし、実際にはコレクションは断捨離ストから外すことも妻と協定した。
つまり、お互いのコレクションを宣言したらそれは将来にわたって断捨離ストから除外するという取り決めだ。
そして、コレクション以外の保管物に関しては、一定期間を設けてその期限までに必要としなかったものは、手放そう。これも協定した。
つまり、トランクルームで冷却期間を置いてみて、それでも必要としない、思い出すこともない、そんな品物はご退場願おうということにしたのだ。
結局断捨離して気持ちが良いかどうかが共通基準
断捨離して心情的にはどうか、とうことも選択基準としては大事である。
やはり、最後には断捨離して気持ちがいい、ということにしたい。
それにしても、捨てたことすら覚えていないものが意外と以上に多いことに気づいて唖然とした。
なんだ、これなら思い切って捨ててしまえばいいではないか。
断捨離の目的と断捨離が目的
「なぜ断捨離をするのか?」と「断捨離することが目的」なのとではどう違うのか?
目的を明確にする
やはり、自分の家を断捨離するにあたって、目的を明確にしておいた方がやりやすい。
しかし、目的を間違えると断捨離は成功しない、かもしれない。
断捨離を手段にすると迷いだらけ
断捨離を手段にするということはどういうことか。何かの目的があってそのために断捨離をするということだ。
例えば、「部屋を綺麗にする」を断捨離の目的とすると、単に掃除をしただけで満足してしまうかもしれない。
これでは断捨離にならない。
断捨離を目的にすると迷わない
ところが、断捨離そのものを目的としてしまえば迷いはなくなる。というのが、禅的な考え方でわたしは好きだ。
いずれにしても、断捨離のための中間処理施設的な使い方としてトランクルームを利用するのは大いにアリだ、というのが我が家の断捨離ズム第1章となった。
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