約10年前、母方の祖父の遺品整理を経験しました。

遺品整理をメインで行ったのは、実の娘・一人娘である私の母でした。

 

母に比べたら何をしたわけでもない筆者ですが、少し関わっただけでとても大変だと感じた遺品整理。

この記事では、孫目線で感じた遺品整理のリアルを紹介していきます。

 

 

遺品整理で出てきたあれこれの荷物

タンスから出てきた大量の「新品服」

新しいシャツ

 

祖父が亡くなってから初めて開けたタンスには、普段ヘビロテしていた服以上に、買ってきたパッケージのままの新品服がしまってありました。

祖父がヘビロテしていたのは、家族でも止めるほど汚れた服ばかり。

家族中で「新しい服買ったら?」と言っても、何年も同じ服を愛用していました。

 

土いじりが好きな人だったので、着慣れていて汚れてもよい服が着やすかったのかもしれません。

 

しかし、パッケージのままの服が普段着ていた服の倍以上出てきたのは、本当に驚きました。

中にはパッケージに入っているのに虫食いで穴の開いた服まで。

一度も袖を通さないまま、捨てることになりました。

 

まだ着られる服があるのに、新しい服の封を開けるのがもったいない気持ちはわかります。

しかし、それなら新しい服を買う必要はないのではないかと思いました。

 

「古くなったから新しい服を買った。けれどまだ古いものが着られるから、着られなくなったら新しい服を開けよう。」

考え方としてはよくわかるのですが、祖父の遺品を目の当たりにして考えを改めました。

 

「新しい服を買うなら、古くなった服は処分する。処分できないなら、新しい服を買うのを一旦考え直す。」

不要なものを増やさないためには、大切な考え方だと思います。

 

 

賞味期限切れの調味料やお酒

親戚関係や交友関係を大事にしていた祖父には、お中元やお歳暮がよく届いていました。

中でもお酒・調味料は、使いきれないほど届くときがあったそうです。

 

物置から出てきたお酒や調味料は、すでに賞味期限切れ。

お酒には賞味期限が書いてないものもありましたが、もしかしたら10年以上経過しているかもしれないので、怖くて開けられませんでした。

母が処分しましたが、お酒や調味料には「捨て方」があるようです。

 

しょう油など粘度の低い液体は、そのまま排水溝に流したくなりますが、環境的にはよい方法ではありません。

丸めた新聞紙に染み込ませて、ゴミとして処分するのがおすすめです。

 

参考:https://shushu.media/4191

 

 

膨大な試供品

遺品整理で出てきて驚いたものの一つが、大量の試供品でした。

洗剤や石鹸、中には髭剃りの試供品まで。

使えるものは使いたいと思いましたが、いつもらったかわからない洗剤や石鹸を使うのは怖いので、すべて処分することにしました。

 

洗剤は、未開封なら3年ほど持つそうですが、開けてみて匂いなどに違和感がある場合は使わない方がよいとのことです。

石鹸も未開封なら3年くらいが期限で、無添加の場合は1年が目安。

未開封でも古すぎるものは肌荒れの心配があるので、捨てたほうがよいでしょう。

 

参考:https://www.fafa-online.jp/html/page1.html

https://faq.lion.co.jp/faq_detail.html?category=&page=1000&id=10978

 

 

使っていない通帳はどうする?

電卓と通帳

 

遺品整理には、財産整理も含まれます。

おそらくリスク分散のためだと思いますが、祖父は通帳を家の数カ所に分けて保管していました。

年金を受け取る通帳・生命保険を支払う通帳などです。

 

どこに通帳があるかわからず、何冊あるかもわからなかったので、文字通り家の中をひっくり返すことに。

中には統合でなくなってしまった銀行の通帳や、何年も動かした形跡のない通帳が出てきて困りました。

「お金に関してはプロにお願いしたほうが確実」と、通帳の処理などもすべて税理士さんに相談することにしました。

費用はかかりますが、不安な気持ちはなくなるので、思い切ってお願いするのも手です。

 

 

家族内で意見が食い違うことが遺品整理の難しさ

捨てられない祖母と整理したい母

カメラとアルバム

 

祖母は、なかなか「捨てられない人」。

とは言え、もう使わないものは処分しなければ、家の中がいつまで経っても片付きません。

 

先述した、「パッケージに入ったままの新品の服」ですが、母は「古すぎるからリサイクルショップに持ち込むか、資源回収に出す」と提案しました。

捨てるわけではないので私は賛成しましたが、祖母は納得せず、私の父に着てもらえばいいと言いました。

 

確かに、使えるものは身内で使うのがよいかもしれませんが、なかなか簡単ではありません。

「新品」だとしてもデザインは古いし、父と祖父ではそもそもサイズが合いません。洋服は趣味もあります。

 

祖母に黙って処分することもできましたが、後々の遺恨につながります。

遺族の誰もが納得する「落とし所」を見つけるのは大変ですが、疎かにはできないところだと感じました。

 

 

「処分」ではなく「親戚・知人」に貰ってもらう

「リサイクルショップ」と「資源回収」に納得できない祖母の意を汲んで、「近しい人に貰ってもらう」ことを選択肢に入れました。

親戚や近所に住む知人に、「必要なものがあったら貰って欲しい」と相談しました。

 

母が心配したのは、「こちらに気を使って、使わないものでも貰ってくれるかもしれない」ことだったので、できるだけ万人受けするものをチョイス。

一部を近しい人に譲ったことで、祖母も少しは満足してくれたようです。

残ったもののほうが多かったですが、少しづつリサイクルショップと資源回収にて処分しました。

 

 

遺品整理の時期は?我が家の場合

遺品整理

 

ほとんどの場合、遺品整理は家族が行います。

よく「四十九日が過ぎてから」と言われますが、厳密に決まりはありません。

我が家がの場合を紹介するので、参考してみてください。

 

相続人全員の許可が必要

遺品整理には、相続の問題も関わってきます。

お金だけではない、価値あるものも相続対象になるからです。

一見価値あるものか判別できず、相続人全員の許可なしに一人が勝手に遺品を整理することで、トラブルになることがあります。

 

今回の我が家の場合、相続するのは母と祖母の二人。

お金に関してのトラブルはありませんでした。

しかし祖母の許可なく処分品を決めたり捨てたりするとケンカになるので、明らかに使えないもの以外は祖母に確認する必要がありました。

 

 

身の回りのものは約3ヶ月後から

遺品整理で最優先の行うのは、死亡届など行政への書類提出や、銀行、生命保険関係です。電気代やガス代の名義の変更も必要でした。

 

一生のうちに何度も行うものではありませんよね。

最初は何をすればいいのか戸惑うばかりで、役所初めいろいろなところに相談しました。

ようやく身の回りのものの整理をする余裕が出たのは、3ヶ月ほど経ってからです。

 

通帳を探すために家中の荷物は一旦出し入れしましたが、しっかり行おうとするとあまりの量に途方に暮れました。

持ち家だったこともあり急ぐ必要はありませんでしたが、始めなければいつまでも片付かないのが遺品整理。

「今日はここ・明日はここ」と、範囲を決めて行いました。

 

一日で全部片付けようとするのは、体力的にも精神的にも負担になります。

確実に片付けられる範囲を決めて、少しづつ整理するほうが、追い詰められることはほぼありません。

 

可能なら、葬儀後から少しずつ始めるのがおすすめです。

持ち家ではなく賃貸の場合、立ち退きの期限や家賃発生などの問題が出てきますので、早めに着手したほうがよいでしょう。

 

 

お金関係は税理士さんにお願い

相続税も遺品整理の一部。

相続税には期限があり、「相続人が、故人が亡くなったことを知った日の翌日から、10ヶ月以内」に行わなければなりません。

お金・家・土地などなど。

普段、税金について考えたことのない素人には複雑すぎます。

 

先述したように、相続税含めたお金のことは、すべて税理士さんにお願いしました。

税理士さんは相続についても知見があり、手続きの優先順位などの相談にも乗ってくれました。

 

税理士費用が必要なので、二の足を踏む人も多いかもしれません。

しかし遺品整理をしながら、10ヶ月以内に相続税の勉強・手続きをするのは本当に大変です。

プロにお願いすることで、他のこともスムーズに進みますよ!

 

参考:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm