「持たない暮らし」「シンプルライフ」という言葉。

最近、よく耳にしますよね。

 

私は片付けの大切さに目覚めてから「持たない暮らし」にあこがれを持ち、そうあるべく奮闘してみました。

けれども、現実は厳しく、なかなか理想には近づきません。

そしていきなり身も蓋もないですが、持たない暮らしでなくてもいいという結論に至りました。

 

 

「持たない暮らし」はどうすれば実現できるのか?

持たない暮らしの捉え方は人によってさまざま。

必要最小限のモノで暮らすミニマリストの方もいますよね。

それぞれ考え方があるので、そこに言及するつもりはありません。

 

私は「モノが少なければいいの?」「捨てて減らすだけが持たない暮らしなの?」と問われたら「違うと思う」と答えます。

もちろん使っていないモノや壊れているモノを処分する前提です。

ミニマリストにはなれないけれど、“暮らしやすい程度にモノは減らしたい”と考えています。

 

というわけで、私なりに考えた「持たない暮らし」を実現させるための方法は3つ。

・日常生活におけるクセや行動(もらいグセやついで買いなど)を見直す

・本当に必要なモノは大切に使う

・自分にとって必要なモノだけにお金を使う

 

 

実際に感じた「持たない暮らし」のメリット6つ

数の少ない衣類

 

最初に着手したのは玄関や自分のクローゼット。

その後、キッチンや洗面所も片付けました。実際にやってみて感じた持たない暮らしのメリットは以下の6つです。

 

1)モノが少なくなり、管理が簡単

靴は、よく履くお気に入りだけを残しました。クローゼットの洋服は、母が着ないからと私に渡そうとするのを断ったり、試着に試着を重ねて納得いく服だけを購入したりしています。

スッキリしたおかげで、靴や服が選びやすくなりました。管理もラクです。

 

 

2)掃除が簡単になった

棚の上や床にモノをあまり置かなくなったので、掃除が簡単になりました。これまでは、いちいちモノをどかして掃除しなければならないのが地味にストレスでした。モノが減ったおかげで、掃除がラク。持たない暮らしは、時間の節約、腰の負担の軽減などいいことばかりです。

 

 

3)洗濯や料理がしやすくなった

2とほぼ同じですね。

モノの管理ができるようになったので、出し入れや詰め替えが簡単。

スッキリしただけでなく、動線も良くなり、家事効率が上がりました。

 

 

4)探し物が減った

どこに何があるのかを把握しやすくなったため、探し物が減りました。

おかげでモノを探すために使っていたムダな時間やストレスが少なくなり快適です。

 

 

5)経済的な節約になった

よけいなモノを買わなくなり、経済的な節約効果が生まれました。

モノが管理できるようになってから「〇〇あったかな?ないかもしれないし、安いから買っておこう」と思わなくなったのです。

買い物もしやすくなりました。

 

 

6)精神的なストレスが激減

モノが多いときは「〇〇を片付けなきゃ!」というストレスをいつも抱えていました。

片付けられない自分を責めたり、イライラしたりすることも。

持たない暮らしに移行させていくことで、こういった精神面でのストレスがグッと減りました。

 

 

実践してみて分かる「持たない暮らし」のデメリット

食品類

 

「持たない暮らし」のメリットを挙げていくと、それならば完全に持たない暮らしにすればいいのでは?と思ったかもしれません。

けれどもメリットがあれば、デメリットもあると分かりました。

私が感じたデメリットは以下のとおりです。

 

1)災害用の備蓄がない

期限切れの災害用食材や古くなった日用品を処分しました。

防災グッズは家族分そろえていますが、災害用の備蓄らしい食品はありません。

 

ただし、わが家では「ローリングストック法」(食材を使ったら使った分だけ買い足していく方法)を採用しています。

なので、災害時に何もないといった心配はありません。

でも最低限しかないので、災害が長引いた場合の対策を考えたほうがいいなと感じています。

 

 

2)モノをもらい、ため込む家族にイライラ

私は、家族のモノは家族が処分するべきだと考えているので、なるべく片付けを強要しないようにしています。

けれども、私がいくら「もらいグセ」を直すよう心がけても、家族は相変わらずもらってきます。

もらい物を片付けもしなければ、減らす努力もしません。文句を言うとケンカになるので、私が家族に対して一方的にストレスを溜めていました。

 

 

3)思い出のモノまで手放して後悔

モノを処分することに爽快さを感じていたときは、何でも手放せる気持ちでいました。

けれども、時が経つうちに、「手放さなければよかった」と後悔しているモノがいくつかあります。

 

たとえば趣味で集めていた映画のパンフレット。何百冊もあったのですが、本と一緒に買取業者に売ってしまいました。

その後、参考資料として見たくても見ることができず、思い出に浸りたくても浸れず…後悔。

やはり思い出のモノを処分するときは、もう少し冷静になり時間をかけるべきだと感じました。

 

4)もらい物を迷惑と感じる

粗品、街で配られるグッズ、飲食物のおまけなど、もらい物を迷惑に感じるようになりました。

断るときは断りますが、心苦しい気持ちになるときもあります。

とはいえ、消耗品ならすぐに使えば大丈夫だし、プレゼントはもちろん嬉しいです。

それ以外のモノをもらいたくないのにもらってしまうことがストレスになりました。

 

 

結果、わが家は「持たない暮らし」をやめました

持たない暮らし挫折

 

「持たない暮らし」はラクになる面が多い反面、継続するには精神面でマイナスになる要素もあると感じます。

私の家族は、私を除いてみんな「モノを捨てたくない」「片付けない」人たち。

何でもとっておきたいタイプ。それなのに自分で管理せずに、そのへんに置きっぱなしにしていることも。

 

たとえば、もう着ていない服も「まだ着るかもしれない」「外出着にはできないけど部屋着にすればいい」という考え。それでいて、「あれが足りない、これが足りない」と言って新しいモノを買ってしまいます。

このような傾向がある家族を変えるのは至難の業。

いくら私が持たない暮らしをめざしても、家族が同じ方向に進んでいかないと実現しません。

 

だから、家族へのイライラを増やさないために、私は「持たない暮らし」を諦めることにしました。

それに、家族の代わりに私が片付けてしまったら、これからもずっと私が片付けることになるでしょう。

スッキリしたい気持ちはありますが、私が手を出すことは、家族(特に子ども)のためにはならないと考えました。

 

とはいえ、できる範囲でいいから持たない暮らしを続けていきたいなと思っています。

家族個人のテリトリーには口出ししない代わりに、私が主導の共有スペースである「リビング」「キッチン」「洗面所」「玄関」「トイレ」と私個人のクローゼットはモノを減らして暮らしやすくなるようにしていくつもりです。

実際、私が片付けた共有スペースは、家族も使いやすいと言っています。

 

 

持たない暮らしの実現は家族とのすり合わせが大事

家族口論

 

「持たない暮らし」をわが家に浸透させるのは無理でした。

それでもなるべくモノは減らしたい。

なので、家族にはなるべく不要なモノを増やさない、増やす場合は「定位置」を決めてきちんと片付けるように話しました。

 

私が持たない暮らしを意識するようになったことで、家族も少しずつ意識が変わってくれるのではないかと期待しています。