押入れやクローゼットなど、住まいにはいろいろと収納スペースが備わっています。
しかし、それらのスペースでは収納しきれないものがあったり、逆に、広すぎる収納スペースをもて余したりすることはありませんか?
今回は、実際に知人宅で目にしたり、自分自身で工夫して生み出した収納の技ありアイデアを、教訓とともに紹介します!
備え付け冷蔵庫の意外な活用法
学生時代、一人暮らしをしていたある友人。
全く自炊をしない彼にとって、部屋に備え付けのミニキッチンは、ヤカンでお湯を沸かすときに使用する程度。
食事は外食かコンビニ弁当が常となっているため、冷蔵庫は当然空っぽ……だと私は思っていました。
しかしある日、彼の部屋に遊びに行ったときのこと。
手土産代わりに私が買ってきた飲み物を飲もうと、グラスを取りにキッチンへ。
おもむろに彼は、コンロの下にある備え付けの冷蔵庫を開け、グラスを2つ取り出してきました。
そう、所持している食器の少ない彼は、冷蔵庫を食器棚として使っていたのです。
考えてみれば、密封空間になる冷蔵庫は、ホコリを被らずに食器をしまっておくことができる理想的なスペースだといえます。
もちろん、食器を冷やしておく必要はないので、スイッチは切ってありました。
ここで得た教訓
冷蔵庫に入れておく物は、食品だけとは限らない。
使わない時期のタイヤを板一枚で家具にする
郊外にある企業に入社し、社会人生活をスタートさせた私。
住まいは会社借り上げのアパートで、同期入社の仲間たちも、建物は違えど同じ間取りの部屋に住んでいました。
地域柄、自家用車がないと生活が不便だったので、皆、早速マイカーを購入。
その中のひとりT君は、スノーボードが趣味ということもあって、冬場はスタッドレスタイヤに履き替えて車を使っていました。
ここで生じるのが、今まで履いていたタイヤの保管問題。
レンタルコンテナなどがまだ普及していなかった当時、物が大きいだけに、物置のないアパートでは収納場所に困ります。
ある日、T君宅に遊びに行った私は、そのタイヤたちが意外なところで活躍している光景を目にしました。
なんとその場所は、ダイニングキッチンの一角。
ミスマッチな光景はさることながら、驚いたのはその活用方法。
4つ積み重ねたタイヤの上に板を一枚乗せ、電話台として使われていました。
確かに、サイズや高さ的にはバッチリ。
苦肉の策とはいえますが、ちょっとした工夫ひとつで、収納難を解決する。
さらに家具としても活用する自由なアイデアに、思わず感心したのを覚えています。
たとえば、上からさらに布を被せたりすると、ビジュアル面も向上するのではないかと思います。
ここで得た教訓
しまいにくい物は、自由な発想で活用方法を考えよう。
広々とした押し入れを、収納せずに活用する
一人暮らしにはなかなかゆとりのある2DKの会社借り上げアパート。
洋室にはクローゼット、和室には押入れと、収納スペースもたっぷりあります。
私の場合、学生時代に友人たちと共同購入したキャンプ道具一式を一手に預かっていました。
そのため、収納にほとんど余裕そはありませんでした。
しかし、同じ間取りのアパートに住んでいた先輩社員のKさんは、押入れをとても意外な使い道に応用していました。
その使い道は、なんとデスク。
ふすまを片側に寄せ、閉じている半分は収納スペースとして、空けている半分はデスクとして使っていたのです。
押入れの上下を分ける真ん中の棚板はデスクの天板にちょうどいい高さ。
また、一般的なデスクのサイズと比べて奥行きがあるので、奥にちょっとした本棚を置いても広々と使えます。
ただし、そのままでは暗いので、Kさんは延長コードをキレイに壁に這わせてデスクライトを配置。
さらにPCやディスプレイの画面も置かれていました。
さらにアイデアが光るのは、急な来客時。
ふすまをサッと閉めれば、中が瞬時に隠せるとあって、大変便利そうでした。
ここで得た教訓
収納スペースは収納以外に使っても良い。
ベビーベッドをひと工夫してストックスペースを作る
やがて結婚し、子どもを迎えることになった私。
妻のお腹の膨らみとともに準備するベビー用品も日に日に増えていき、収納場所の工面が問題となってきました。
そんななかで譲り受けたのがベビーベッド。
キャスター付きで簡単に移動可能。
床板の下には開閉できる扉も付いて収納スペースとして活用できる作りだったので、紙おむつやおしりふきなどのストックはそこにしまうこともできるスグレモノ。
ただ難点は、床板の下に物を入れてしまうとそれが邪魔になって動かせなくなるという残念な作りだったこと。
せっかくのキャスターを活かせないかと思案していたところ、「だったら、下に1枚板を載せちゃえば」と、妻が一言。
なるほど。
確かによく見ると、枠となっている部分に対して柵の棒がやや細いので、その部分を利用して板を載せられそうな感じ。
早速サイズを測り、次の休日にホームセンターへ行ってコンパネを購入。
計測したサイズどおりにその場でカットしてもらい、家に帰って早速載せてみたところ、まさにピッタリ。
部屋のあちこちに積まれていたベビーグッズを見事一か所に収納することができました!
(現在売られているベビーベッドの多くに最初から採用されているようなので、新規購入の際はそちらのタイプを選ぶことをオススメします)
ここで得た教訓
DIYのひと手間、ひと工夫で、収納スペースは増やせる。
文:松田朝九(40代・フリーランスコピーライター)