おもちゃは、子供が喜ぶことはもちろん、親としても吟味する喜びを感じます。

でも、次第に祖父母などからもプレゼントされたりするうちに増え続け、気が付けばおもちゃ箱からあふれんばかりの状態になることも多いですよね。

 

いるものといらないものを選別し、思いきって捨ててしまうのもひとつの方法。

でも、思い出があったり、もったいないという心理的抵抗があったりと、処分への一歩がなかなか踏み出せないこともあるかと思います。

今回は、そんないらなくなった子供のおもちゃの活用法について、自分の育児体験を踏まえながら、アイデアを紹介したいと思います。

 

 

兄と弟で遊ぶおもちゃが違う問題

おもちゃ

 

我が家には、3歳違いの息子が二人。

長男はいろんなものに次々と興味を持ち、じっとしていられない活発なタイプ。

当然、遊ぶおもちゃもヒーローグッズに電車やミニカー、おままごと用品にぬいぐるみと多種多様。

片付け用のおもちゃ箱もひとつでは足らず、二つ三つと増え続けていきました。

 

ちょっと多すぎる気もしましたが、次男がその後に遊ぶことを考えると、そのままおさがりで使えるので、おもちゃは特に整理しないままとっておきました。

 

一方の次男はというと、比較的おとなしく、どちらかというと絵本を見たり、頭を使った遊びにじっくり取り組んだりするタイプ。

お気に入りのおもちゃはブロックくらいで、兄が使っていたおもちゃはもちろん、テレビの戦隊ヒーローやロボットにもほとんど興味がない様子。

誕生日などのタイミングで欲しいものを聞いてみても「ない」と応える、物欲に支配されないクールな個性を持っています。

そんなこんなで、我が家の、とくに長男のおもちゃは、徐々に行き場を失いつつありました。

 

 

気に入ったものをお友達と物々交換

ある日我が家に遊びに来た次男のお友達。

最初のうちは一緒に遊んでいましたが、ちょっとしたきっかけで、ウチの長男が過去に遊んでいたヒーローの人形を見つけて大興奮。

30体ほどを次々と手にしては帰るまで手放さず、大変気に入った様子。

 

活躍の場を失い、おもちゃ箱で眠っていた往年のヒーローたちも、どことなく活き活きとしたように見えます。

そこまで喜んでもらえるならばと、妻の提案で、いくつか差し上げることにしました。

 

たまたまウチの次男は物欲がないタイプだったので、代わりに何かをもらうということはありませんでしたが、遊んでいないおもちゃの処分に困っている場合、価値が見合うようであれば、子ども同士の意見を聞いたうえで物々交換をしてみるのもひとつの解決策になるのではないかと感じるエピソードでした。

 

現在、子供たちがいらなくなったおもちゃなどを持ち寄ってポイントと交換し、そのポイントで別のおもちゃが入手できるというイベントを行っている団体もあるようです。

身近に交換相手がいない場合には、利用してみるのも良いかもしれません。

 

 

売ってお金にするのは結構面倒

梱包

 

年末の大掃除を機に、一部を残して一気に処分してしまおうということになった我が家のおもちゃ。

遊んでもらうことがおもちゃの本分である以上、無条件に捨ててしまうのは気が引けます。

近所にあるリサイクルショップに持ち込んで買い取ってもらうのもひとつの手ではありましたが、過去にビデオカメラを売りに行ったときに経験した、査定をはじめとする手間や時間を考えると、見合った買い取り金額になるような気がしません。

 

ネットオークションで売ることも候補に上がりましたが、こちらも写真を用意して登録したり、梱包して発送をしたりすることを考えると結構面倒。

ある程度高額な商品であれば、手間を差し引いても納得できるお金を手にすることができると思いますが、たかが子供の使用済みのおもちゃ、どうみても益よりも労が上回ることは確実といえます。

 

 

児童館に寄付

児童館

 

そんな行き場をなくしたおもちゃたちに第二の人生(?)を楽しんでもらえるように、気持ちよく手放す方法として妻が提案してきたのが、子供たちがこれまでお世話になった児童館へ寄付するというアイデア。

 

私は児童館へは1、2度しか行ったことはありませんでしたが、微かな記憶をたどると、子供たちはその場にあったいろいろなおもちゃで遊んでいたような覚えがあります。

「なるほど、あれは誰かが寄付したものなのか」と合点がいき、将来の子供たちに使ってもらえるならばおもちゃたちも本望だろうと、寄付することに決定。

子供たちも使わなくなったものとはいえ、捨ててしまうよりは誰かに遊んでもらえる方が嬉しいはずです。

 

後日、特別なプレゼントとして頂いたものや特に思い入れのあるものを除いて児童館に持参し、気持ちよく受け取ってもらうことができました。

 

近くに児童館がなかったり、持ち込むのが困難であったりする場合には、発展途上国へ寄付するために引き取りを行っているNPOなどの団体に提供する方法もあります。

なかには、三輪車やスポーツ用品なども含めて子供たちが喜んでくれそうなものなら何でも、段ボール箱に詰めて事務所へ元払いで送るだけで現地に届けてくれる団体もあるようなので、必要に応じて利用してみるのも良いでしょう。

 

 

写真を撮って別れの儀式

写真と思いで

 

振り返ればわずかな期間だったとはいえ、人生のひとときを一緒に過ごしてくれたおもちゃたち。

そのまま記憶の彼方へ消え去っていくのが惜しいようであれば、手放す前に写真を撮っておくことをオススメします。

 

実際、自分がいつ、どんなおもちゃで遊んでいたかを鮮明に覚えていることはなかなかかいですよね。

お出かけやイベントごとに撮りためた成長の記録とともに、将来子供が巣立つ際にプレゼントすれば、きっと喜んでもらえるはずです。

 

 

収納場所があるなら思い切って大人になるまで取っておく

家

 

遊ばなくなったおもちゃがあっても、取っておける場所を用意できるのであれば、慌てて手放すこともありません。

ほかの用途でトランクルームなどを利用しているようであれば、その一角に居場所を用意することもできるでしょう。

 

なるべく劣化しないように気をつけて、箱や説明書があればそれも一緒に取っておき、将来、大きくなった子供に渡してあげてはいかがでしょうか。

そのとき本人が自分で持っていたいと思えばそのまま所持していれば良いですし、もしいらないのであれば売ってしまっても構いません。

 

なかには、流通量が少なかったり、保存状態が良かったりして思いがけない「お宝」に変身するものもあるかもしれません。

また、子供のころには気づかなかったそのおもちゃの魅力や価値に、成長してから気づくこともあるでしょう。

(実際、先日私が実家の引っ越しを手伝いに行った際、みつけたもののなかにいくつもありました。)

 

断捨離が流行するなどミニマムな暮らし方が注目される昨今ですが、あえて捨てない、手放さないという選択をとる価値も状況によってはあると思います。

 

以上、子供のいらなくなったおもちゃの活用法について、いくつかアイデアをご紹介しました。

そもそもおもちゃの処分で悩まないようにするためには、おもちゃをなるべく増やさないことが肝心ですが、そうはいってもなかなか難しいのが現実です。

それぞれの環境によって選択は変わってくると思いますが、おもちゃと子供、双方の気持ちになって、最善な活用プランを選んでみてください。

文:松田朝九(40代・フリーランスコピーライター)