「もう少し広い部屋に住みたいなぁ……」。
さっそく近所の不動産屋を回ってみると、5階建ての最上階、3方向にバルコニーがあり、ペントハウスのような雰囲気の物件が見つかりました!
周りに高い建物がないので、眺望も最高、晴れた日には遠くに富士山が望めます。
しかも家賃は格安ときた!!!
「最高すぎる!でも、何か落とし穴があるのでは……」と訝しみながら内見に行くと、ありました、落とし穴。
築46年。
床は「花柄」のビニールシート張り、収納スペースは少ない。
いわゆる「昭和感」丸出し物件だったのです。
幸い大家さんが理解のある方で、「素敵な感じにしてくれるなら、ちょっとくらいリノベーションしてもOKですよ」と言ってくれました。
まずはキッチン周りを何とかしようとIKEAにいったのですが、予算やサイズがはまるものが見つからず。
そこで「IKEAのシステムキッチンをバラして購入する」という方法を思いついたのです。
今回は簡単なDIYで、使いやすい収納スペースを自作した私の体験談のお話です。
IKEAにキッチン収納を探しに行ってみた
スタイリッシュなシステムキッチンは予算オーバー
それまでもIKEAでインテリアを購入していたので、今回もIKEAで探すことにしました。
幸い私は平日に休みが取れるので、空いている店内で思う存分吟味することができます。
今回は大家さんの許可もあるので、「センスの良いシステムキッチンを導入しよう!」と気合いを入れ、新横浜にあるIKEA港北店に向かいました。
しかし……想像していたよりだいぶ高い!
引っ越しの敷金・礼金の支払いで予算が限られていたため、システムキッチン案は早々と却下です。
シンク周りはそのまま使うことに
予算的にシステムキッチンを諦めることになったので、シンク周りは今あるものをそのまま使うことにしました。
ただ収納スペースが圧倒的に足りないので、食器棚的なものが欲しかったのですが、シンク周りのサイズやテイストが合うものが見つかりません。
そんな時、同居人が「さっきのシステムキッチンに付いてた引き出し良かったのになあ」とぽつり。
戻って見てみると、確かに今のシンク周りにしっくりとくる気がします。
そこでこの日は一旦帰宅して、サイズなどを確認することにしました。
「IKEA Place」でサイズを確認
ここで役に立ったのがIKEAが作ったスマホアプリ「IKEA Place」です。
これはAR(拡張現実)技術を活用して、部屋の中に「実寸大」の家具を設置できるもの。
まずは家具を置きたい場所をアプリでスキャン。
といってもスマホのカメラで置きたい場所を写すだけです。
次に家具をカタログから選んでカメラを設置予定場所に向けると、自分の部屋と家具が合成され、サイズ感やイメージを確認することができます。
実際、シンクの高さと色味のバランスを確認するために大変役立ちました。
システムキッチンをバラして購入
うちのキッチンにサイズもイメージもピッタリということはわかったのですが、そもそも「システムキッチンってバラして購入できるのか?」という問題が。
そこでIKEAに電話をして恐る恐る聞いてみます。
私「あの~、システムキッチンってパーツごとにバラバラでも購入できるんですか?」
スタッフさん「はい、もちろん大丈夫ですよ」
私「やった!!セットじゃなくても買えるんですね!」
しかも、私たちが欲しい収納部分だけなら2万円ちょい。購入決定です。
冷蔵庫置き場を収納スペースに
冷蔵庫のドアの開き方が逆なので使いづらい
実は、この時点で悩みがもう一つ。
シンク横は本来冷蔵庫を置くスペースなのですが、ウチの冷蔵庫は左開きタイプなため非常に使いづらくなってしまうのです。
そこで冷蔵庫はシンクの向かい側に置き、ここにIKEAで購入する引き出しを置くことにしました。
賃貸なので壁に釘は打てない
IKEAから届いた引き出しをシンクの横に置いてみると、「IKEA Place」で確認したとおり高さピッタリ!
非常に美しいのですが、その上の空間がもったいない。
そこで棚を付けることを考えたのですが、やはり賃貸なので壁に釘や木ネジを打つのはためらわれます。
そこでDIYで土台を設置することにしました。
土台は通販で購入した材木と電動ノコギリでDIY
元々手先は器用な方なので、今回は気合いを入れて電動丸ノコギリを購入。
といっても3~4,000円で購入できるので、DIYをやろうかなと考えている人にはおすすめです。
ホームセンターで木材を買えばその場でカットしてもらえるのですが、毎回長さを指定してお願いするのも面倒ですし、1台あればかなり便利に使えるのであると良いと思います。
ちなみにこの木材は檜なのですが、B級品なので格安です。
ネットで探すと2×4(建築のツーバイフォー工法で使われるもの。本来2インチ×4インチですが、乾燥で縮んでいるので38mm×89mmくらいになります)サイズで180センチのものだと1本400円くらいで手に入れることができます。
今回は398円で購入しました。
6本くらいで済んだので、合計2,500円でおつりが来ます。
カットさえしてしまえば後は釘と木ネジで組み立てるだけなので、あっという間に土台が完成です。
あとは、金具と板で3段の棚をつけて完成。
またこの木材、安いとはいえさすが檜、香りが素晴らしく、また手触りもすべすべで気持ちが良い。
そこで大量に購入してリビングなどの床に敷き詰めることにしました。
元々「Pタイル」と呼ばれるオフィスの床のような材質のものが敷かれていたので、夏でもスリッパ必須だったのですが、檜のおかげで、今では冬でも快適です。
食器立てやグラスホルダーもIKEAで購入
IKEAは食器立てやグラスホルダーなどもセンスの良いものがそろっています。
IKEAは基本的に「自分で家具を組み立てる」ということが前提になっているために、全てのモノがDIYに親和性があり、扱いやすいのです。
棚を支えている金具は本来コートなどをかけるフック、グラスホルダーも必要なだけ自由に設置することが可能。
また引き出しの「取っ手」は元々付いていなかったのですが、やはり使いにくいので取っ手だけ購入し(IKEAで「修理用」として売っていました)ドリルで穴を開けて取り付けました。
というわけで、今回は予算に限りがあり、「システムキッチンをバラして購入する」という発想の転換&プチDIYで、使いやすく統一感の取れたキッチンに仕上げることができました。
みなさんもぜひ参考にしてみてください。
文:正次郎(40代・生花店経営)