6年程前、私は千葉県でひとり暮らしをしていました。
仕事や家庭の事情など様々なタイミングが重なって、1年間だけ北陸にある実家に帰ることが決まりました。
1年後にはまた関東に戻ります。
1年というのはなかなか微妙な長さで、家財道具一式をどうするかが悩みどころでした。
最初に浮かんだのは、次の3つの選択肢。
・部屋をそのまま一年間借りておく
・実家にすべて運ぶ
・いったん全部処分して、翌年買い直す
しかし、調べているうちにトランクルームを借りるという、新しい選択肢が現れました。
金銭面を中心に検討した結果、1年間トランクルームを借りてみることにしました。
①: 借りたいトランクルームの条件を決める
トランクルームを借りるにあたって、最初に必要最低限の条件を考えました。
①予算
所持している荷物の分量と、実家までの距離を考えると、引っ越した場合の費用は最低でも7〜8万円かかることがわかりました。
1年後にもう一度引っ越さなければならないので、合計15万円ほどかかることになります。
ということは、トランクルームの料金がひと月あたり1万円程度であれば、引越しの手間も簡略化できて、金銭的にもお得です。
②場所
家具の移動は友人たちに頼むことになっていたので、車は手配できていました。
1年間は荷物の出し入れはほぼないだろうと考え、駅からの距離はこだわらないことにしました。
その代わり、小さいものは少しずつ運ぼうと思っていたので、当時の家から比較的近い場所をと考えました。
③広さ
もともと、引越しを想定していたので、あまり大きな家具はありませんでした。
机も棚も解体できるものばかりで、かさばらず、広さはそれほど必要なさそうです。
冷蔵庫のような大きな家電は、後輩に譲ることにしました。
ただ、ひとつだけしっかりとした作りの本棚がありました。
幅、高さとも1.5mとサイズもだいぶ大きめです。床面積としては、1畳あればなんとかなるだろうという結論に達しました。
予算は月額1万円以内。
家から近く、1畳程度のサイズを借りられるトランクルームを探し始めました。
②: トランクルームを選ぶときの4つのポイント
■立地
当然ですが、都心に近いほど、また駅に近いほど高くなります。
便利さをとるか、値段をとるかですね。
私が住んでいたのは東京からほど近いとはいえ千葉県内だったので、都内に比べると安く借りることができました。
さらに、駅からの距離はこだわらないことにしたので、駅から約15分のトランクルームに決めました。
■広さ
トランクルームには、ロッカーのような小さなタイプからワンルームサイズまで、様々な広さがあります。
私の場合は「現在持っている家財道具を1年間預ける」と、預けたい量も期間も決まっていたので、必要な広さを見積もりやすかったといえます。
今後増やすかもしれないのでしたら、広めのサイズを借りておいたほうがいいかもしれません。
立地と広さのバランスで値段が決まるのは、住居も同じです。
しかし、トランクルームには、独特のポイントがあります。
■屋外タイプと屋内タイプ
トランクルームには、建物の内部が個別に仕切られている屋内タイプと、駐車場のような広いスペースにコンテナがどどんと並べられている屋外タイプがあります。
屋内タイプでは、警備員さんが常駐しているところも多く、セキュリティ面でも安心感があります。
また、空調も行き届いているので、繊細な荷物を預けるのであれば屋内型が安心です。
屋外タイプは、いわゆる普通のコンテナが多く、湿気や温度などを調節する空調設備がないものが多いです。
そのため、暑くなったりカビが発生したりこともあるそうです。
預ける荷物を選びますね。ただし、その分値段が安いのが魅力です。
また、トランクルームのすぐ前まで車で乗り入れができるので、大きな家具がある場合は搬入の手軽さも魅力といえます。
私は、電子レンジや掃除機などの家電や、こたつ布団やカーテンなどの布ものがあったことから、空調設備が整っている屋内タイプにしました。
■階数
屋外タイプでは、コンテナは縦に2個ずつ積まれていることが多いです。
その場合、2階は月額が安く設定されています。2階だと、移動式のタラップを使って上り下りする必要があり、大きな荷物がある場合や頻繁に出し入れする場合は不便です。
また、天板に陽が当たり温度が上がってしまうというデメリットもあります。
屋内タイプでは、タラップを移動する手間も温度の問題もないため、階数によって値段に差がないトランクルームもあります。
荷物の出し入れの手間を反映してか、屋外タイプと同じように、1階のほうが高く設定されている場合もあります。
家の近くのトランクルームでは、屋内タイプでしたが階数によって月額が違いました。
大きな荷物はありましたが、頻繁に出し入れをするわけではないと考え、予算との兼ね合いもあって2階を借りることにしました。
どんなトランクルームがいいかは、借りる目的によって変わります。
自分の優先順位を決めておくと、選びやすいですね。
③: 事前に見学してチェックする
トランクルームの目星はつけたので、契約する前に現地を確認しに行くことにしました。
外観は、企業の事務所かと思うようなきれいな建物でした。
入り口の奥には警備員さんがいて、専用のキーで中に入ります。
また、入ってすぐのところに台車が準備してあり、自由に使えるようになっていました。
トランクルームは、値段と相談して1.2畳のタイプにしました。
1畳ではほぼ半分が本棚に占拠されると思ったのが大きな理由です。
計算上はすべての荷物が入るはずなのですが、本当にこのスペースに全部入るのか……と少し不安になる広さ。
ちょっと広いトイレくらいのサイズ感です。
問題の本棚のサイズを事前に測ってきたので、トランクルームの扉の大きさを測って確認します。
十分入りそうです。
設備が綺麗で空調がしっかりしており、安心感があったので、すぐに契約を決めました。
しかし、このときに、私は大きな失敗をしました。
トランクルームの建物にあるエレベーターのサイズを計測しなかったのです。
搬入当日、なんとエレベーターの奥行きがほんの少しだけ足りず、本棚を乗せると扉が閉まらないというトラブルが発生しました。
結局、全員で階段を使って本棚を2階まで運びましたが本当に大変でした。
2階以上にするときには、トランクルームの扉だけでなく、エレベーターのサイズも確認しておきましょう!
④: 1年間利用してみた結果
ばたばたと借りたトランクルームでしたが、実際に使ってみてわかったことがありました。
物を運び入れる前は不安だった1.2畳というサイズですが、思いの外大きかったです。
床面積で見ると狭く感じるのですが、空間に余裕がありました。
本棚があったために、物を立体的に収納することができたのがよかったのだと思います。
置き方を工夫すれば、意外と狭いスペースでもうまく収納できそうです。
また、1年間はずっと預けっぱなしにしておく予定だったのですが、なんだかんだと荷物を取りに来る機会がありました。
そうなってみると、駅から15分の立地は意外と遠く、もう少し駅の近くだったらよかったとも思いました。
もう少し駅に近いトランクルームで、狭いスペースを借りるのが私にとってはベストのバランスだったようです。
そして、1年間使わなかったことで、その後すんなりと手放すことができたものがありました。
主に本や資料、雑貨です。
私はものが捨てられないほうなのですが、1年間は「これがなくても生活に困らない」と実感するのに十分な時間だったようです。
予想外の断捨離効果でした。
まとめ
引越しでトランクルームを利用する場合は、きっと多くの方が大きな家財道具を預けることになると思います。
その場合、やはり1階をおすすめします。
また、あまりデリケートなものを預けるのには向かない屋外タイプですが、短期であれば検討してみたいと思っています。
屋外タイプは、すぐ目の前に車をつけられるのが便利そうですよね。
次の引越しで借りるなら、駅から近い屋外タイプの1階のトランクルームを借りてみたいと思います。
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