私がコワーキングスペースを利用したきっかけ

積極性ゼロのダメダメ保険外交員

私は以前、ある生命保険会社に勤めていました。

いわゆる保険の外交員というやつです。

完全歩合制なので、友人・知人に限らず、すれ違った人にも話を聞いてもらうくらいの勢いがなければ収入が得られない厳しい環境です。

でも、元来グイグイ行くのが苦手な私は、全く結果を出せずに苦しんでいました。

 

保険のブログ記事がきっかけで相談が増えてくる

そんな時、アポイントも取れず暇なので、ためしにブログを開設してみました。

昔、広告代理店でコピーライターをやっていたことから、保険の知識やメリット・デメリットなどをわかりやすく解説する記事を掲載してみました。

すると、それを読んだ人から「相談したい」「話を聞いて欲しい」という依頼が、ぽつぽつ入ってくるようになりました。

 

カフェや会議室の限界

そこで最初はカフェで話を聞いたり、保険会社の会議室を使ってセミナーをやったりしたのですが……

      • カフェは長時間落ち着いて相談を受けるには不向き
      • 保険会社の会議室は緊張感があり、警戒されてしまう

などといったデメリットがあり、別の場所の確保が必要になってきました。

 

お洒落で活気のあるコワーキングスペースは保険セミナーに最適

そんな時、ちょうど職場の近くにコワーキングスペースができたので、メンバーになって利用してみたところ、セミナー利用にはぴったりだったのです。

数年間コワーキングスペースを利用してみたそんな私の体験談を、メリットとデメリット両面からお話したいと思います。

 

私がコワーキングスペースを利用して感じたメリット

商談

 

クライアントに安心感を与えられる

保険は「家」の次、「人生で二番目に高い買い物」と言われます。

その保険の設計をするためには顧客が何を考えているのか、本音のところを引き出さなくてはなりません。

そのためにはクライアントに「この人はきちんとしている」という信頼感と、「この場所でならじっくりと話せる」という安心感を持ってもらうことが重要です。

 

その点、コワーキングスペースは個人事務所とまではいきませんが、「費用を掛けてきちんと場所を用意している」感があり、かつ周りに適度なざわつきがあるおかげで緊張感がほぐれ、安心して会話することができます。

 

カフェと違い時間制限がなく定住できる

最初は手軽なこともあって、私もカフェを利用していました。

クライアントも緊張感なく、リラックスして話が進むので良かったのですが、どうしても長時間いることが難しく、話が尻切れトンボになってしまいがちでした。

その点コワーキングスペースなら時間制限がありません。心ゆくまで話を続けてもらうことができます。

 

人脈作りに超効果的

コワーキングスペースとレンタルオフィスの一番の違いは「他の利用者とのコラボ」かもしれません。

私の場合は税理士さん、行政書士さんとコラボしていました。

セミナーの時に「相続税対策にどう保険を使うか」とか役所などの手続きなどについて話してもらったり、お互いのクライアントを紹介して顧客を増やしたりしていました。

 

また、保険の営業の場合、まず「私は保険を販売しています」とアピールして、どんどん人脈を拡げていかなくてはいけないのですが、私の場合はそれが苦手で、とにかく苦労していました。

しかしコワーキングスペースで定期的に開催されるイベントに参加しているうちに、自己紹介をする機会が増え、いつの間にか自然に人脈が拡がっていました。

 

個人事務所を構えるよりローコスト

私の場合、保険会社のオフィスが赤坂や永田町に近い場所だったので、個人事務所を構えようにも家賃が高くて難しいという問題がありました。

その点、コワーキングスペースなら終日フルに使えるコースでも月に3万円ほどで、もちろん敷金礼金も不要。

個人事務所を構えることはもちろん、毎回カフェに通うよりもコストが安く済みました。

 

打ち合わせ内容によってオープンスペース・会議室を使い分けられる

保険の相談の場合、始めはリラックスした雑談から入ります。

そのために、カフェのようなある程度ざわつきがあるところが向いています。

ただ、個人情報やセンシティブな情報を取り扱うので、重要な話になると個室のほうが向いています。

このどちらにも対応できるのがコワーキングスペースのメリットです。

最初はオープンスペースで会話を始め、込み入った話になってきたら会議室を使うことができます。

ある程度の人数を集めてセミナーを行う時は大きめの会議室も用意されていて、とにかく使い勝手が良かったです。

 

私がコワーキングスペースを利用して感じたデメリット

ヘッドフォン

 

周囲の会話が邪魔な時がある

混んでいる時間帯や、特定のちょっと騒がしい利用者がいる時は、周りの会話が邪魔で集中できないことがありました。

対策として、一人の時はノイズキャンセル機能のついたヘッドホンを使って静寂な環境を作り、クライアントと一緒の時は会議室に避難していました。

 

時間帯によっては席や作業スペースが満席の場合がある

これはコラボのし易さや、人脈の拡げやすさと表裏一体なのですが、人気のあるコワーキングスペースは、時間帯によって満席となり、顧客と商談をしたり、PCや資料を拡げて作業をするスペースが確保できない場合があります。

月5万円ほど払うと「固定席」が確保できたのですが、そこまでコストを掛けたくなかったので、混雑時だけ近所のカフェに避難していました。

 

仕事上のミスマッチがあると居づらくなってしまう

これもコラボの副作用です。

仕事が上手くいっているうちは良いのですが、たまたま私が紹介したお客様と相手がトラブルになってしまったり、逆に紹介してもらったお客様にこちらが良いプレゼンができないなどして、すれ違いが続き、段々と距離感が生まれてしまう。

するとお互いに顔を合わせるのがなんとなく気まずくなり、コワーキングスペース自体に居づらくなってしまったことがあります。

コラボしやすい分、このようなケースもどうしても増えてしまいます。

 

人間関係が面倒になることがある

緩やかなつながりが特徴のコワーキングスペースですが、しばらくすると自然にグルーピングされてきます。

そうするとどうしても内輪ノリというか、排他的な空気が出始めて、外部から新しい人が入ってきにくくなってしまします。

私の場合保険の営業がメインの仕事でしたから、新規メンバーが入りにくい環境はデメリットでしかありませんでした。

そこで後半は永田町にできた無料で使用できるコワーキングスペースをセカンドプレースとして使い、定期的に行き来を繰り返していました。

 

カフェ以上会議室未満のコワーキングスペースはセミナーの成功率をアップする

若干のデメリットはありますが、人が集まり、交流しやすいコワーキングスペースは、集客を目的とするセミナーなどを行うのにもってこいの場所です。

特にプライベートとオフィシャルを循環するような、オープンスペースと会議室の往復は、商談のクロージングにとても効果的でした。

ほとんどのコワーキングスペースでは「ドロップイン」という一日だけのスポット利用も可能です。

ぜひ一度覗いてみることをおすすめします。

 

文:友三郎(40代・ファイナンシャルプランナー)