子どもの習い事、迷いますよね。
今春、サッカーを検討しているご家庭もあるかと思います。
私の息子2人も幼稚園の年長からサッカーを習っていた経験があります。
ただ、スポーツとしてポピュラーである反面、教えてくれるスクールや団体が多すぎて、どこに通わせるべきか悩みました。
そこで今回は、子供がサッカーを習い始める場合にはどのようなスクールや団体があるか、それぞれの特色や選び方について、私が住んでいる埼玉県を例にご紹介したいと思います。
サッカー教室にはどのようなものがあるか
埼玉県の場合、子供がサッカーを学ぶ場所としては、「スポーツ少年団」「クラブチーム」「フットサル施設などのスクール」がメインです。
それぞれ特色がハッキリしているので、違いがわかれば選択も簡単です。
ハードルが低く気軽に取り組めるスポーツ少年団
まず紹介するのは地域に存在する「スポーツ少年団」です。
直近のデータ(平成30年)によると、埼玉県内にはサッカースポーツ少年団が424団体もあり、とても身近な存在であることがわかります。
参考:平成30年度 埼玉県スポーツ少年団種目別団数一覧表(公益財団法人埼玉県スポーツ協会)
http://www.saitama-sports.or.jp/wp/wp-content/uploads/H30suposho-dansu.pdf
「スポーツ少年団」は「公益財団法人日本スポーツ協会」による事業で、公式サイトに「子どもたちはスポーツを楽しみ、野外・文化・社会活動などを通じて協調性や創造性を養い、社会のルールや思いやりのこころを学びます。」とあるとおり、サッカーのスキルアップよりは、楽しんだり、仲間をつくったりといった情操教育的な面に主眼が置かれていることがわかります。
私の息子2人も地域にあるサッカースポーツ少年団に通っていた経験があり、まさに、そのとおりの環境でサッカーに親しんでいました。
ただし、情操教育をメインとしているからといって、技術面の向上が望めないわけではありません。
指導は基本的に埼玉県サッカー協会の指導者資格を得たコーチが行っているので、日本サッカー協会の指針に沿った内容、クオリティで行われています。
実際、長男が所属していた少年団のチームメイトのなかには、高校サッカーの全国大会に出場したメンバーもいるので、もともとの体力によるところもあるかもしれませんが、本人の努力や、良い指導者とのめぐりあわせ次第では、レベルを上げていける可能性があります。
保護者にとってスポーツ少年団の魅力のひとつとなるのは、月謝が安い点。
少年団ごとに額に違いはありますが、クラブチームと比べると格段の差があります。
ちなみに私の息子たちの通っていたスポーツ少年団では、半年で5,000円。
お金のことで頭を悩ませたことは一度もありません。
ただ、月謝の安さと引き換えというわけではありませんが、さまざまな点で保護者の協力が必要なとなり、その負担はクラブチームに比べると大きいのが一般的です。
練習スケジュールの連絡係や試合時の送迎などに加え、コーチや審判についても多くのチームで保護者のなかの有志が携わっていることが珍しくありません。
私の長男の代も、次男の代も、その学年担当のコーチ3名はチームメンバーの保護者が指導者の資格を取って対応していました。
さらに、大会などのときには審判を提供しなくてはならず、コーチだけでは人手が不足してしまうことがあり、審判資格を持つ保護者が必要となる場面も出てきます。
実際に私も、次男の代には少年団の代表に乞われて審判の資格を取り、できる限りサポートしてきました。
大会時に顔を合わせるほかの少年団のコーチたちと話をすると、どこも同じような状況で、慢性的なスタッフ不足に悩まされているところが多いようです。
このように、保護者の協力が求められる場面が多いスポーツ少年団ですが、それを負担と取るか、子どもたちとのかかわりの深さと捉えるかは、自分次第です。
私の経験上、我が子以外の子どもたちとも積極的に触れ合い、保護者もチームの一員として関与する充実感はスポーツ少年団ならではという実感があります。
高みを目指せる組織と仲間が魅力のクラブチーム
サッカーを楽しむだけでなく、マインドやスキルの向上に重きを置いているのがクラブチームの一般的な特色。
指導者にランクの高いライセンスを持つコーチやJリーグ出身者を揃えていたり、卒団者がJリーグのユースへ進んだりしているチームも存在し、スポーツ少年団とは目指す目標と意識の高さが大きな違いといえます。
「本気でサッカーが上手くなりたい」「将来はプロのサッカー選手を目指したい」という子供たちが集まり、それをしっかりとサポートする体制も整っているのがクラブチームの大きな魅力です。
その分、月謝もスポーツ少年団と比べると高いのが一般的で、月に5,000円から10,000円、なかにはそれ以上のクラブもみられます。
そのほかにも、年会費、揃いのウェアやバッグ代、遠征費などが別途必要になるところが多いようです。
もちろん、練習量もスポーツ少年団と比べると多いので、高い目標に見合うだけの覚悟が必要となるでしょう。
クラブによっては練習場所が自宅から遠くなることもあります。
練習にひとりでは通えず、場合によっては保護者の送迎が必要となることも想定しておきましょう。
また、クラブチームでは小学生から中学生まで続けて指導しているところが多くあります。
クラブチームに所属しながら中学校の部活動でサッカー部に入部する場合、サッカー協会に選手登録できるのは1チームだけとなるので注意してください。
クラブチームで選手登録をすると、中学校のサッカー部の公式戦には出られません。
短期間、短時間も可能なフットサル施設などのスクール
スポーツ少年団やクラブチーム以外にサッカーを学ぶ場所として、フットサル施設などで開催されているスクールがあります。
内容は千差万別で、未経験者にサッカーの楽しさを伝えるもの、ドリブルやシュートなど特定のテーマを設けたもの、卓越した技術を身に付けるハイレベルな内容のものなど、目的に合わせて各種用意されています。
どちらかというと、スポーツ少年団やクラブチームと比べて個人向けの内容のものが多いようです。
指導者は、施設のスタッフが行うものから誰もが知っている元日本代表が直接指導するものまでさまざまです。
期間については、1度入会するとそのまま続けていけるスクールもあれば、1年や半年など一定のスパンに区切って行われているもの、スポット的に開催される1度限りのものもあります。
1時間から2時間程度の短時間で行われていることも多いので、メインとして通うのはもちろんですが、スポーツ少年団だけは物足りない場合に掛け持ちしたり、子どもが興味を持って続けられるかどうかを見極めたりするときに利用するのもいいのではないでしょうか。
まとめると、
「近くに住んでいる仲間たちと楽しくサッカーを覚えるスポーツ少年団」
「クオリティの高い指導のもとで高い目標を持つメンバーと腕を磨くクラブチーム」
「目的によって合ったものが選べる施設などのスクール」
といった分別でしょうか。
理想に合わせたサッカー教室をみつけて、一生の楽しみを得てほしいと思います。
文:松田朝九(40代・フリーランスコピーライター)