私が収納アドバイザーの1次試験に受験したのは、2000年の3月。
まさにコロナ禍の只中なんとか一発合格を果たしたのですが、問題は2次試験。
整理収納アドバイザー1級の2次試験は、実際に整理収納の理論を使用した「提案」か「実作業」をして、それを試験官の前でプレゼンしないといけないのです。
しかしそこで救世主。
整理収納アドバイザーには実際に試験会場でプレゼンをする方法だけではなく、YouTubeによる「動画提出」という方法もあるんです。
今回はそんな整理収納アドバイザー1級取得のための最大の難関「2次試験」の「動画提出」についてお話しします。
結論。整理収納アドバイザー1級2次試験は動画提出がおすすめ
いきなり答えですが、動画で提出するが絶対おすすめです。
まず基本的な情報ですが、「整理収納アドバイザー」という肩書で仕事をする場合は、整理収納アドバイザー1級の試験に合格する必要があり、整理収納アドバイザー1級の資格を取得するためには、まず1次の筆記試験に合格してから、2次の実技試験に合格する必要があります。
その2次試験は、「会場試験」と「動画提出」で実は受験料が違います。
2000年9月現在では、会場試験が13,200円(税込)であるのに対して、動画提出は19,800円(税込)で、6,600円も高いんですね。
(詳しくはハウスキーピング協会の1級2次試験のページをご確認ください)
なので、最初は私も「6,600円も違うの⁉ええい!もう当日会場で一発勝負や!」と思っていたのですが、コロナによって会場試験という選択肢がなくなったため、やむなく動画提出での受験を受け入れました。
しかし、今となっては「動画提出の方がメリット多いんじゃね?」と思うようになりました。
その理由としては主に、
・好きな時に提出できる(ただ、これは追い詰められないとできない人には逆にデメリットだと思う)
・何回でも撮り直しができる
・自宅で撮影するなら移動しないので感染リスクを低くすることができる
・会場試験よりも受験料は高くなるが、交通費や当日の服や身支度もろもろの手間を考えると出費を抑えられる
・人相手じゃないのでそこまで緊張しない
・認定証用の写真を紙で用意する必要がない
・資料を6セットも用意する必要がない(詳しくは「1 級 2 次試験用 研究発表の制作の手引き」をご確認ください)
コロナ禍の影響もあり、最近ではオンライン面談なども各方面で導入されてきているので、今後は動画提出をする人の方が増えるんじゃないかと思います。
受験料ももう少し安くなればいいなと思いますが、どうですかね…。
動画提出は楽だが、結局実技の作業は必要。そこをどう乗り切るか?
ということで、2次試験は動画提出となった私ですが、動画を取るにもまずはプレゼン資料を作るためのいわゆる「実技」をしないといけません。
ちなみに、2次試験は次のように「提案編」と「実作業編」があります。
私はそもそも「提案編」の主旨がよく理解できていなかったので、今後整理収納アドバイザーとしての仕事をする場合にも役立つかなと思い、迷わず「実作業編」を選びました。
実作業編ではとりあえず自分自身以外の第3者であればよく、同居の家族でもOK、自身と共有場所も可、とのこと。
なので、例えば子供のおもちゃを収納しているスペースでもいいのでしょう。
でも、自分で言うのもなんですが、自分の家は整理収納の理論が使えるほど困った状態にはなく、しかも「家の収納=常に私が采配を握っている」という状態なので、他人の家が良いだろうという考えに至りました。
運よく、1次試験の勉強をしている頃から「うちの子ども部屋をどうにかして~」と言ってくれていた気前の良い近所の友人がいたため、その友人の子ども部屋を実作業の場として使わせてもらうことができました。
しかし、正直いくら友人でも「家の普段見られない部分を見らえるのは嫌」という人や「ちょいちょい自分なりに片付けているからそこまでしてもらう場所がない…」といった人も少なくないと思います。
ですので、「自宅内に他の家族が管理しているスペースがあり、なおかつ困っている状態にある」という人以外は、近所に実家がある人なら実家、あるいはきょうだいなどの身内を頼ると話が早いかと思います。
そうでない人は、整理収納アドバイザー1級の資格を取りたいと考え始めた時点で、「片付けて欲しいと思っている人」を探しておくことをおすすめします。
プライベートに踏みこむ整理作業。なるべく気を遣わない人を選ぼう
私が気前の良い友人の家を実際に片付けることになったのは、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が出る少し前、子どもたちが春休みになり暇を持て余している頃。
実際に友人宅を訪問する前に、作業予定箇所の画像を送ってもらったり、困っていることや予算などを聞いたり…という感じで、だいたいのイメージをしておき、当日は、子ども同士も仲が良かったので、下の階で子どもたちは遊びながら、私は友人と2階で作業をする感じでした。
当初の計画では2日もあれば余裕で終わる…つもりだったのですが、やはり休憩を挟んだり子どもの邪魔も入ったりするので、結局は1回の訪問につき4~6時間くらいかけて、トータル3日間もかかってしまいました。
気前のいい友人とはいえ、やはり他所の家なのでメチャクチャ気は遣いましたね…。
どこを片付けるかにもよりますが、1日で終わらせようと考えているのなら、必要な収納用品を買いに行く必要も出て来たりするので、ちょっと危険かなと思います。
それから、作業に使用した収納用品の代金なども、あらかじめ予算を聞いておいてその範囲には収めつつも、基本的には勉強代だと思って自分が全て負担するつもりでいた方が気を遣わなくていいと思います。
私の場合は結局、気のいい友達が全額負担してくれたのですが…(本当にありがとうね)。
そして、作業中は作業に集中しすぎて作業過程の写真を撮るのを忘れてしまいそうになることが多々あったので、写真を撮る、というか撮りまくるくらいのつもりで臨むことをおすすめします。
資料のつくり方 は正直そんなに気にしなくていいと思う
動画提出の場合はメールでデータのプレゼン資料を送るのですが、ただ印刷しなくていいというだけで、あとは会場試験と形式などは同じです。
私は偶然昔の仕事の関係でInDesignという書籍などを作るソフトが使えたのでそれで作りました。
もしパソコンが苦手という人は、A4用紙に画像を切り貼りして空いたところに手書き→コンビニでスキャンしてデータ化でもいいと思います。
とにかく試験官の方が見やすいものが作れればそんなに細かい事は気にしなくても大丈夫かと思います。
それから、プレゼン資料はA4用紙5枚までで裏面も使っていいということになっていますが、片面のみ5枚でも合格できたので、そこは変に気にしなくてもきっと大丈夫でしょう!
個人的には、細かい説明を裏表使って10枚読むのは試験官の方も大変でしょうし、裏表で10枚使うなら、画像や文字を大きく使う方が伝わりやすいかと思います。
動画提出は何回か練習する&アイテムがあると尚良し
資料ができたところで、最後の砦、動画の作成ですが、私は画像のようにパソコンのカメラを使って撮影。
ホームページの試験説明の部分にはスマートフォンのカメラを使うこと前提で、「始めはご本人確認のため、全身が映るように距離をご調整ください」と書いてありますが、私は終始着座した状態で撮影したものを提出してしまいました…。
おそらく、全身を移すことが重要なのではなく「プレゼン資料だけが映っている」「顔だけ映っている」というのがよくないのではないかと思われます。
でも、やはり「全身が映るように」とは書いてあるので、最初だけでも全身を映した方が安心ですね。
そして「撮影時間は15分以内」ということなので、練習はやはり必要です。
「えーっと」「あー…」などの余計な言葉を合間合間に発してしまったり、一気に説明しようとして息切れしたりするので、プレゼン資料を読み上げるのではなく、資料の要点を説明するイメージだと15分以内に落ち着いて話せるかと思います。
ちなみに私はタイトルだけを大きな文字で印刷して最初に挨拶したり、A4サイズで作った資料をコンビニでA3サイズに大きくしたものや、プレゼン用の間取り図を作ったりして説明に使いました。
はっきり言って、動画だと音は聞こえるけど画像は見にくいので大きめの「小道具」を使うのはおすすめです。
コロナのせいだったのか?合格がわかるまでには結構時間がかる
ということで、なんとか動画を撮影し、YouTubeにアップし、動画提出を果たした私ですが、メールを送信後も「受け付けました」的な応答メールはなく、実は何度か不安になって事務局にメールをしました。
おそらく緊急事態宣言中だったので対応がしきれていなかったのかなと思いますが、最終的に事務局に電話で問い合わせした際は「届いてますよ!」ととても感じの良いお返事がもらえて一安心しました。
試験概要によると、合否の結果は提出月の翌日締めで、合格通知の発送は翌月末とのことでしたが、コロナ禍ということもあってか、実際の合格通知は締め日から1カ月半後くらいに届きました。
整理収納アドバイザー1級の試験を申し込むには、ホームページより会員登録をしてマイページを作る必要があるのですが、実は、合格通知が届く数日前に「取得した資格一覧」で「整理収納アドバイザー1級」と表示されているのを確認していたので、どうやらマイページの方が早く情報が反映されるようです。
ちなみに提出する顔写真は証明写真のようなものでなくても、画像のように顔がハッキリ写っているものならOKです。
ただ、運転免許証のようになって戻ってくるので、なるべく写りが良いものをおすすめします(笑)。
ということで、長くなりましたが、整理収納アドバイザー1級の2次試験に動画提出で合格した私の話をご紹介しました。
動画提出は少し受験料が高くなりますが、自分の力を最大限発揮してプレゼンすることを考えると、その価値は十二分にあると思います。
文:江戸リイ(30代・ライター兼整理収納アドバイザー兼2児の母)