過去に4回引っ越しを経験している私。
いまの居所に来てからは、しばらく引っ越しを行っていませんでしたが、この夏に実家の両親が引っ越しを行うことに。
手伝いという形ながら、十数年ぶりに引っ越し作業を体験してきました。
久しぶりの引っ越しを通じて改めて気が付いた、注意する点や、ちょっとしたテクニックを紹介したいと思います。
ダンボールは小さめサイズをたっぷりと
間取り的には2DK(+4.5畳の納戸と物置)の一軒家に住んでいた私の両親。
荷物の積み下ろしと運搬は引っ越し業者に委託。
引っ越し1週間前の2日間を使って、私と私の長男を交え、4人で本格的な梱包作業に取り掛かりました。
事前の見積もりで引っ越し業者から渡された梱包用のダンボールは、大(530x350x350mm)、小(320x350x355)2種類。
それぞれ10枚ずつ。
以前、自分が引っ越しを行った際に「運ぶ回数を減らしたい」という理由で、ティッシュペーパーなどが入っていた巨大な箱に物を詰め込みすぎ、結果、重くて運べないという失態をやらかしていました。
だから、このサイズ選出はさすが専門業者だと納得。
早速、鍋やらアルバムやらを詰め込んでいきます。
作業を進めているうちに意識しはじめたのは、1箱あたりの重さ。
少しでも運びやすくしたいため、自然と大きい方の段ボールの出番は減り、小さい方ばかりを使うようになっていきます。
あっという間に10箱使い切ったので、追加を持ってきてもらおうと引っ越し業者へ電話をすると「今日中には届けられるが、いつになるかはわからない」とのこと。
手を休めているのも時間の無駄と、すぐにこちらから取りに行き、小さい方のサイズを15箱追加しました。
わかったのは、引っ越し荷物の梱包に適当なサイズであっても、やはり小さめサイズの方が使い勝手がいいこと。
足りなくなって途中で作業が滞らないように、最初からゆとりある枚数を用意しておきましょう。
簡易ラベリングとなる色付き梱包テープ
荷物梱包の際、活躍したのが封函用のテープ。
母が「この前ちょうどテレビでやっていたのよ」と、通常の茶色のほかに赤、白、青、黄色とカラフルなバリエーションが用意されていました。
聞くと、引っ越し先で運ぶ部屋ごとに色分けするとわかりやすいとのこと。
箱に文字でも中身と置き場を書いてはおきますが、色を見ただけで判別できるのはとても効率的だと感じました。
実際、梱包作業を進めてみると部屋別のカラーリングをするほどでもなかったので、今回は「赤=すぐに開封する必要のあるもの」、「茶色=それ以外」という2種類に分別。
引っ越し先での荷解きも非常にスムーズに進めることができました。
残念ながら青や黄色の出番はありませんでしたが、この「梱包テープの色でラベリング作戦」は、覚えておいて損はないテクニックかと思います。
ここで一点、注意してほしいのはテープの材質。
必ず「クラフトテープ」(紙テープ)を選ぶようにしてください。
いわゆる「布テープ」にすると、積んだ箱を滑らせて移動させづらくなり、引っ越し業者スタッフの手を煩わせてしまうとのことです。
タオル布類はまとめて梱包せず緩衝材に利用
梱包作業を進めていき、いよいよ扱いに気を遣う茶碗やグラスなどの食器類をまとめることになりました。
ひとつひとつ新聞紙を間に挟んで重ねた皿類、周囲の隙間はエアキャップなどの緩衝材で埋めていきますが、すぐに使いきってしまいました。
そこで考えたのが、タオルやふきんなどの布類を緩衝材として使うこと。
やってみたら、これがとても使い勝手が良く「先にタオル類を梱包していなくてよかった!」と心から思ったほど。
別途に梱包する必要もなく、緩衝材として活躍してくれるとは、まさに一石二鳥。
いや、引っ越し後に出るゴミが減らせることも考えれば、一石三鳥といってもいいでしょう。
最終的には、納戸の隅に眠っていた未開封のタオルセットなども開封して総動員。
かなり理想的にワレモノ類をパッキングすることに成功しました。
今回の引っ越しで個人的にMVPを与えられるとしたら、文句なくタオル類ですね。
ということで、ぜひ「タオルやふきんの類は、食器などのワレモノとセットで梱包する」と覚えておいてください。
スケジュールを立て、ゆとりある引っ越しを
人生の大ベテランでも、引っ越しに関してはまるでビギナーである我が両親。
いかにも「引っ越しあるある」ですが、写真や手紙などを見つけるたびに手が止まり、思い出話に花が咲いています。
それはそれで悪いことではないにしても、タイムリミットを考えるとこのままのペースでは終わりそうにないのは明らか。
そこで私はクールに振る舞い、淡々と作業を進めるように促し、何とかペースを回復することができました。
また、梱包作業が滞る原因のひとつに「これいる?いらない?」問題があります。
運ぶものをなるべく減らすために、いらないものは捨てていくことにしていたのですが、意外と多いのがグレーゾーンの品々。
これもいちいち手を止めて、どうするかを相談しているとすぐにタイムリミットはきてしまいます。
なので、ひとつひとつ吟味することはやめ、「悩んだら捨てる」というルールを決めて、惜しむ間もなく捨てていくことにしました。
最初のひとつふたつを思いきって捨ててしまえば、あとは勢いで意外とポンポン捨てられるものです。
引っ越し後にちょっと後悔するものもありますが、それは必要な犠牲だったと捉えて、割り切ってしまいましょう。
こうしていろいろと物を捨てたものの、積みあがった段ボールの山を見て「これ、本当に積みきれるの?」と不安を抱いた両親。
後日、引っ越し業者を呼んで予定通りのトラックで良いか確認してもらったところ、積みきれないとの判断で1台追加することになりました。
引っ越し当日に急な対応は難しいと思うので、少しでも不安がある場合には念のために確認しておくのが大切ですね。
さて、よくあるのが引っ越しの準備に手伝いは頼んでも、引っ越し後に手伝いを頼まずに大変な思いすること。
これは自分の過去の経験からよくわかっていたので、今回の両親の引っ越し後は、妻と次男も交えて一家総出で手伝いに行きました。
タンスなどの家具は引っ越し業者に配置してもらってはいたものの、それ以外の荷解きもなかなか大変。
準備のときもそうでしたが、真夏ということもあって、1時間動いたら10分休むなど、意識的に休憩をとるようにしないと体力も気力も続かないほど。
結局、8割方片付くまでに合計6人で丸2日間を要することになりました!
今回の引っ越し体験全般を通して感じたのは、役割分担して労働力を無駄なく使う重要性です。
最初は各自が勝手に段ボールを組み立て、物を入れ、閉じて、運んでとやっていましたが、途中からは、体は動かさずに指示を出すもの、指示を受けて梱包作業を進めるもの、梱包したものを運ぶものと、役割に基づいて行動するようになり格段に効率が上がりました。
普段の家族それぞれのキャラクターから自然とそのような役割分担となりましたが、友達などに手伝ってもらって引っ越し作業を行うようであれば、最初から役割を決めて動くようにするとスピーディーに引っ越しが進められると思うので、ぜひやってみてください。
文:松田朝九(40代・フリーランスコピーライター)