なにかとスペースが限られ、気が付けば物がいっぱいで雑然となりがちな一人暮らしのお部屋。

私もしばらく一人暮らしをしていた時期があり、1R→1K→2DKと3タイプの部屋を経験してきました。

 

今回は、そんな引っ越し遍歴の実体験で得た、快適に暮らすためのちょっとした部屋選びのヒントや家具レイアウトのコツを、私なりの教訓とともに紹介したいと思います!

 

初めての一人暮らしの部屋は失敗だらけ

アパートの写真です

 

最初に住んだのは1Rの部屋。

一人暮らしを思い立ってから引っ越し完了まで1週間足らずと、大急ぎで進めたこともあって、失敗ポイント目白押しという、ある意味、思い出深い一部屋です。

 

当時は間取りの表記を気にすることもなく、「6畳」と書いてあればどれも同じ広さと思って選んだのがまず失敗。

 

キッチン部分を除いた居住スペースが6畳の1Kと違って、1Rはキッチン部分を含んでの6畳。

「ちょっと狭いな」とは思ったものの、初めての一人暮らしの嬉しさに舞い上がって、内見1件目で決めてしまったのがまた失敗でした。

 

実はこの部屋、キッチン部分だけでなく、半畳ほどの玄関や洗濯機置場も6畳のスペース内。

 

さらにクローゼットが壁からせり出して設えてあるため、家具の置き方も制限されます。

クローゼットの下50cmほどに空間があったので、そこへベッドの足元部分を突っ込み、本棚、テレビと配置すると、コタツのテーブルが何とかおける程度。

すべて手が届くところに物があることだけが取り柄の窮屈な部屋でした。

 

さらに失敗だったのが、1階だったこと。

建物が密集したエリアの1階だったため、ほとんど日の当たらない一角。

 

季節が夏から秋、冬へと進むにつれ、床から伝わる冷たさが堪えるようになり、座布団を敷いても座っていられないレベルに進行。

コタツはあるものの、悲しいかなコタツ布団を広げるスペースがなく、自分の居場所は起きていても寝ていてもベッドの上だけという、入院生活のような冬を過ごした記憶があります。

 

◇◆ここで得た教訓◆◇

日の当たらない1階の部屋は、床が座っていられないほど冷たい。

日当たりは重要。

 

失敗から学んだ部屋選びのチェックポイント

入居申込書

 

この悪いお手本のような失敗体験から、部屋選びにあたって注意すべきポイントを学んだので、紹介したいと思います。

まず、大小さまざまな失敗のベースとなったのは、内見1件目で決めてしまったこと。

複数の部屋を比べるどころか、不動産業者自体も比較検討しなかったことが最大の要因です。

 

自分自身で借りたい物件を探し、絞り込んで交渉するのもひとつの方法ですよね。

しかしやはり、できる限り複数の不動産業者と関わって、業者、担当者を絞り込み、信頼関係を構築したうえで理想的な物件を提案してもらうスタイルが、個人的にはオススメです。

これによって大概の失敗は防げますし、思いもよらなかった掘り出し物に遭遇するチャンスも生まれます。

実際、私は次の引っ越しで当初予定していなかったエリアでも、担当者イチオシの部屋に引っ越し、納得のいく快適生活を手に入れました。

 

続いて、個人的に重視している内見時のチェックポイントを紹介します。

不動産業者をどれだけ信頼していても、住むのは自分。

シビアな目でキッチリと確認しておきましょう。

 

日中の日当たり

週に1日でも日中に家にいることがあるのなら、何を差し置いても日当たりは重要です。

気分うんぬんよりも健康面に響きます。

可能であれば2階以上の部屋をオススメします。

 

近隣の住民、環境

周囲の環境も安心して生活するためには必ずチェックしておきましょう。

車の通りや工場などの騒音、人によっては匂いも気になるかもしれません。

また、駅の近くであれば、深夜の酔っ払いなども煩わしいものです。

平日と日曜日、それぞれ日中と夜に確認できればベストです。

 

一日の生活シーンを想像する

内見のチェックポイントはいろいろありますが、重要な点を逃さないようにするには一日の生活シーンを想像しながら、順を追って見ていくことです。

朝起きるときの窓の日差しに始まり、トイレ、洗顔、朝食、洗濯、帰宅後の玄関、お風呂、夕食、就寝。

そのときそのときで、何が大切かを考えて確認するのもひとつの方法です。

 

故障部分を必ずチェック

契約を交わす前に必ず解決しておくべきなのが、部屋の故障個所や汚れなどについて貸主や不動産業者と相互確認をしておくことです。

最初から壊れたままの部分があっても気にならないからと放置しておくと、自分が壊していないにもかかわらず、退去時に原状回復を求められることもあります。

私の場合は、内見時に一人だったため、インターホンの通話機能が壊れていたことに気づかず、ただのチャイムとしてしか使うことができませんでした。

幸い修繕費を求められることはありませんでしたが、無用のトラブルを生まないためにも事前にしっかりチェックし、解決しておきましょう。

 

まとまったスペースを作るレイアウト

さて、待ちに待った2年の契約満了を機に引っ越し。

 

今度はマンションの4階で日の当たる一室です。

間取り表記もしっかり学習し、同じ6畳でも1Kの部屋を選びました。

 

これまでの窮屈生活の反動から、できる限り広い居住空間を取りたいと考えた私。

 

細切れのスペースをどうにかなくそうと、試行錯誤の末に行きついたのが、「物をレイアウトするのは1面だけ」というルール。

 

本棚やテレビ、新たに追加した電子レンジやその台など、なるべく部屋の片側に密集させて配置することによって、見事「コタツ布団を広げてもまだ余裕!」という快適スペースを手に入れることに成功しました。

 

◇◆ここで得た教訓◆◇

物を置くのは、できるだけ片側に。

 

ベッドをどこに置くか問題

窓際のベッドの写真です

 

こちらの部屋に引っ越して最も悩んだのがベッドの置き方でした。

 

部屋に入って正面奥にある掃き出しの窓の外には、ちょっと広めのバルコニー。

そこに出るための通路を確保するにはベッドを壁沿いに置かねばならず、得られるスペースはどうしても使い勝手イマイチの長方形となってしまいます。

 

理想とするのはできるだけ正方形に近い居住スペースだったので、思いきってバルコニーに出ることをあきらめ、窓に沿ってベッドを配置したところ、これが大正解。

 

実際に生活していても、バルコニーを使うシーンなどほとんどなく、普段の居住空間を優先したレイアウトが吉と出ました。

 

◇◆ここで得た教訓◆◇

ベッドを窓に沿っておくことで、広く感じる正方形に近いスペースが確保できる。

 

4階建てマンションの4階に住んでみてわかったこと

4階

 

このときに住んでいたのは4階建てマンションの最上階。

1~2階に住むことの多いアパートとは違った特徴があったので、いくつか紹介したいと思います。

 

冬は暖かいが、夏は暑い

コンクリートでできたマンションはアパートと比べて気密性も高く、熱が逃げにくい構造。

私の住んでいた部屋は最上階ということもあって、太陽の熱が天井に溜め込まれているような感覚。

冬暖かいのは最高です。

対して夏場は、夜帰宅すると、日中の太陽熱が壁や天井にもこもっていて、エアコンを点けてもなかなか涼しくならなかったことを覚えています。

 

エレベーターがないので引っ越しが大変

4階建てのマンションだとエレベーターが付いていない可能性も高いです。

となると、当然4階までは階段移動。

まず引っ越しの際、その洗礼を浴びました。

友人3人に手伝ってもらっての作業でしたが、重い段ボールを抱えて何往復したことか。

結果、疲れ果てて、その晩に発熱。

段ボールに囲まれながら、新居で早速寝込んだ思い出があります。

 

ゴミ捨てが面倒

また、階段の上り下りが面倒でゴミ捨てに行く頻度が減りました。

そうなると、ゴミが溜まりはじめる

まとめて捨てるのはもっと大変

捨てに行かなくなる

どんどんたまる

という悪循環が発生しました。

 

この、エレベーターがないという環境はなかなか厄介で、横移動的にはほとんど距離を進んでいなくても、上下には想像以上の距離を移動しており、意外と時間がかかるものでした。

階段を降りて少し進んでから忘れものに気づくこともあり、取りに戻って遅刻することもしばしば。

タワーマンションの高層階に住む人がデメリットとして挙げている例も見ますが、エレベーターの無い4~5階建てマンションの上層階に住む場合も、同様に覚悟しておくべきポイントだと思います。

 

寝るための部屋と暮らすための部屋

寝室

 

続いて引っ越した場所は埼玉県の郊外で、一人暮らしよりもファミリーを対象としたアパートが多く建つエリア。

 

会社の借り上げ住宅ということもあって、選べるのはどれも同じ間取りの2DKでした。

6畳のダイニングキッチンに和室6畳、洋室6畳という間取り。

一人暮らしには手に余る広さをどう使おうか、贅沢な悩みが生まれます。

 

いろいろ考えた結果、早起きが多い仕事だったので、できるだけ眠りの質を高めたいということと、たまたま角部屋だったということも活かして、隣室に面した和室を「生活するための部屋」として、隣に何もない洋室を「眠るための部屋」として用途をハッキリさせて使うことにしました。

 

これにより、マンションと比べて壁の薄いアパートであっても、隣からの生活音を気にすることなくぐっすりと眠れる「眠るための部屋」が完成。

 

また、友人や同僚が遊びに来たときは、できる限り「生活するための部屋」だけを使うようにすることで最低限のプライバシーも確保し、ちょっと横になりたいときなど、お互いに気遣いなく過ごすことができました。

 

特に効果的だったのは、新たに購入した家具や生活雑貨なども、用途に合わせた部屋に配置することによって、それぞれの部屋の統一感が高まっていくというところ。

 

この「主目的を決めて部屋を使う」という考え方は、1Rや1Kであっても、部屋のなかを雑然とさせないちょっとしたテクニックとなるので、ぜひ参考にしてみてください。

 

◇◆ここで得た教訓◆◇

部屋の主目的を明確にすると、余計なものが増えず、統一感も出る。

 

文:松田朝九(40代・フリーランスコピーライター)

【追記】2018年6月20日