マイホームの購入。それは、一生に一度の大きな買い物。
そのため、時間をかけて慎重に決定しなければなりません。
インターネットなどで情報を集め、ある程度物件を絞ったら、モデルルームの見学を行うのがオーソドックスな流れだと思います。
戸建てでも、マンションでも、実際に現地に行ってみないとイメージも湧きにくく、部屋の雰囲気もわかりません。
まずは「いいな」と思った物件は、とりあえず「モデルルームの見学」に行きましょう。
今回は、マイホーム購入に至る上で欠かせない「モデルルームの見学方法」について、初心者が気を付けなければならないポイントをわかりやすくご紹介します!
モデルルーム見学!初心者が陥りやすいミスって?
1)おしゃれマジックに騙されないよう気をつけよう
洗練されたインテリア、木のぬくもりに溢れた清潔感のある部屋……。
モデルルームに入ってみてまず、「なんて素敵なお家!」「ここでなら、こんな素敵な暮らしが叶うんだ」、そんなふうに思う方も多いでしょう。
わかります。たしかに、おしゃれで清潔感があり、雑多な生活感とは無縁の雰囲気です。
私もモデルルームのような家に、強く憧れます!
しかし当たり前ですが、同じ間取りの家を購入したからといって、同じ内装の家が手に入るわけではありません。
おしゃれなモデルルームは、プロのコーディネーターが、その物件のニーズに見合うように丹精込めて演出した、いわば作品です。
またモデルルームでは、部屋の空間がより広く見えるように、ベッド、テーブル、ソファなどの家具をあえて小さめのサイズでレイアウトしていることもあります。
収納家具(タンスなど)の設置も、あまり見かけません。
そのため、家を購入した後家具を運び込んだら、思ったよりも狭く感じる……ということが、実際起こってしまうのです。
おしゃれさに拍車をかけている極めつけは、観葉植物の多さ。
ありとあらゆるスペースに、これでもか!というほど緑を配置していたりします。
リビングや部屋だけでなく、トイレ、お風呂にまで……。
たしかに癒し効果のある観葉植物が多ければ、心地良い空間に感じます。
しかし、実際に住むとなると手入れも手間ですし、常識的に考えてお風呂の中で植物は育てないでしょう。
2)オプションにも騙されてはいけません
モデルルームには家具や家電のオプションがあります。
備え付きではありませんが追加料金にて購入できる設備となります。
物件に備え付きの物だと思っていたものが、実はオプションだったため想定よりも費用かさんでしまったという話はよくあります。
とはいえ、オプション設備はメリットも多いです。
家の雰囲気とはマッチしますし、サイズ感もまず間違いありません。
また、新築マンションであればお部屋の購入後にオプション会というものがありますので、
そこで好みのインテリアや設備をあらかじめ揃えてしまえば、入居後が楽です。
通常の見学では小さくシールで「オプション」と記載があるので、よく確認するようにしてください。
照明や家具などはわかりやすいですが、ビルトインの食洗器や造作家具などはオプションとは気づきにくいため、特に注意が必要です。
あとから後悔しないためにも、担当者に事前に標準の仕様やグレードを確認しておきましょう。
3)営業マンの巧みな話術に揺さぶられないようにしよう
モデルルーム見学に行くとはじめに、販売担当者がつき案内をしてくれます。
しかし正直、担当者の当たりハズレがかなりあります。
経験が浅く知識が少なかったり、常識に欠けている担当者はもちろんハズレです。
知識はあるがデメリットは隠し、メリットばかり伝えてくる。
また態度が悪く、言葉遣いなども丁寧でない。
このような場合もハズレですね。
ハズレの担当者にあたってしまった場合の対応はシンプルです。
担当者を変更してもらいましょう。
一生ものの買い物ですから、しっかりと案内してくれて、かつ親身になってくれる担当者から買いたいと思うのは普通のこと。
少しくらいわがままをいってもいいのではないでしょうか。
さて。
気を付けなければならないのは、優秀な販売担当についてもらった場合です。
この場合は一見、良いことしかないように思えますよね。
その通りではあります。
しかし、優秀な担当者ゆえに、その人にうまいこと誘導させられてしまうのです。
マンション等の欠点も伝えつつ、絶妙に良い点も伝えてきます。
本当に優秀な担当者だと、思った通りの筋書きでお客さんに購入してもらえるそうです。
たとえば彼らは、勧めたい部屋への誘導トークを持っています。
例えば、窓が南向きではない部屋には
「昼間あまり家にいないようであれば全く問題はありませんし、南向きの部屋に比べて価格を抑えられますよ」
といった具合に、もっともらしい理由をつけて説得をしてきます。
厄介なのが、全て真実のみで話してくるところ。
気づかないうちに誘導されているといったことがないように気を付けましょう。
自分の中で軸となるラインを決めておくと、より良いお部屋選びができます。
モデルルームで見てほしい3つのポイント
先に挙げたように、モデルルームはとても華やかで理想の家となっています。豪奢なインテリアや設備に惑わされず、きちんとポイントをおさえていきましょう。
1)自分が住むことをしっかりイメージすること
失敗例
「家を購入したあと、持っている家具をいれてみたらすごく狭く感じる。しかもフローリングやドアの色とあわなくて違和感がある。」
このようにならないためには、事前に所有している家具や電化製品を把握しておくことが大事です。
購入後いざ配置してみたら、「あれ?」なんて嫌ですよね
加えてベッドやソファ、テーブル、冷蔵庫等は事前にサイズを測っておくとさらに良いです。
実際に置いてみたら、どれくらいスペースを取るのか。
メジャーを使って、レイアウトを具体的にイメージしましょう。
2)動かせないものに注目する
失敗例
「見学の時はウォークインクローゼットがすごく広く見えたが、実際に衣類を入れてみたら融通が利かなく、使いづらい。結局、別で収納家具を用意した」
床、天井、壁、窓、収納、水場、ベランダ、コンセントなど、後から動かせないもの。
この辺りは要チェックポイントです。
図面だけでは確認できない部分をしっかり確認しましょう。
床の質感や、壁の厚さなど、実際に触ったり、軽く叩いたりしないとわからない場合もあるでしょう。
クローゼットの広さや使い勝手、また各部屋への導線も重要です。
モデルルームでサンプルとして納められている衣類に騙されず、実際に自分の荷物量までイメージするようにしましょう。
3)棟外モデルルームの場合、建設場所を必ずチェック
失敗例
「現地はしっかり見に行った。しかし見に行ったのが昼間で、街灯など少なく、夜道が危なそうだと購入後に知った。」
棟外モデルルームとは建物の完成よりも前に、別の場所に設営されるモデルルームのことです。
おそらく周辺環境を調べない人はほとんどいないと思いますが、必ず直接現場にいって道路や、人の往来、街の雰囲気を感じてみましょう。
日当たり、騒音はもちろん、近くに工場があったりする場合は煙害なども心配です。
また、日中だけでなく、夜間も現地に足を運びましょう。
昼間は静かなところでも、夜は踏切の音や、トラック等の騒音が気になる可能性もあります。
時間帯や曜日を変えて、現地を見るのもポイントです。
まとめ
モデルルームの見学は単純にとても楽しくて、ワクワクします。
あまり深く考えずに、レジャー感覚で行くケースもあると思います。
しかし、購入を本気で考えている場合には、見るべきポイントを押さえ効率よく物件の良し悪しを見定めましょう。
しつこいですが、プロのコーディネーターの業に魅了されたまま、判断してしまわないようにしてください。
色遣いや配置を「参考までに」、チェックしてくださいね。
現地でわからないことは、どんどん担当者に聞きましょう。
遠慮はいりません。妥協もしてはいけません。
たっぷり時間をかけて、住み続けるほどに買ってよかったと思えるような家と、出合ってください!
【追記】2018年6月20日